
こんにちは!
今回は、古代中国の思想家・孟子の言葉、
「心を尽くして性を知る」
という言葉を紹介します。
「心を尽くす」と言われても、少し難しく感じますよね。
でも、言っていることは意外と身近です。
たとえば、仕事や家族のことを優先しているうちに、
「自分は本当は何をしたいんだろう?」
「これから、どんなふうに生きたいんだろう?」
と考えることはありませんか。
そんなときに思い出したいのが、この言葉です。
今回は、日常のたとえ話を交えながら、孟子の言葉をわかりやすく紹介します。
ことばの意味
「心を尽くして性を知る」とは、
自分の心を深く知ることで、自分が本来持っているものや、自分の本質を知っていく
という意味です。
ここでいう「性」は、単純に「性格」という意味ではありません。
孟子は、人には生まれながらにして「善」へ向かう心があると考えました。
人をかわいそうだと思う心。
悪いことを恥ずかしいと思う心。
相手に譲ろうとする心。
正しいことを見分けようとする心。
こうした人間が本来持っている心を、孟子は大切にしています。
つまり、
「自分は何をしたいのか」
「何を大切にしたいのか」
「何をされると嫌なのか」
「どんなときに心が落ち着くのか」
そういった自分の気持ちに目を向けていくことで、自分自身の本当の姿が見えてくるということです。
毎日を忙しく過ごしていると、他人の期待や世間の常識に合わせることばかり考えてしまいます。
「これくらい頑張らないと」
「みんなやっているから」
「今さら変えるのは難しい」
そんなふうに考えているうちに、自分の気持ちが後回しになってしまうこともあります。
だからこそ、ときどき立ち止まって、自分が何を感じているのかを確かめる。
それが、「心を尽くす」ということなのかもしれません。
たとえ話
あるところに、会社員のAさんがいました。
Aさんは長年、仕事を頑張ってきました。
頼まれれば断らず、忙しくても仕事を引き受けます。
周りからは、
「真面目だね」
「責任感があるね」
と言われていました。
Aさん自身も、
「仕事はこういうものだ」
と思っていました。
ところが、ある休日のことです。
特に予定もなく、一日自由に過ごせることになりました。
最初は、
「せっかく休みなんだから、何か有意義なことをしよう」
と考えます。
でも、何をしていいのかわかりません。
テレビをつけても落ち着かない。
スマホを見ても、なんとなく疲れる。
仕事のことまで考えてしまいます。
そこでAさんは、気分転換に近所を散歩することにしました。
歩いていると、昔よく読んでいた本を思い出しました。
「そういえば、昔は本を読むのが好きだったな」
そして帰宅して、本棚から一冊の本を取り出します。
読み始めると、不思議なくらい時間が過ぎていきました。
そこでAさんは気づきます。
「自分は、忙しく働くことだけが好きだったわけじゃないんだ」
「静かに考えたり、何かを学んだりする時間も好きだったんだ」
それからAさんは、少しずつ自分の時間を作るようになりました。
毎日ではなくても、仕事が終わったあとに本を読む。
休日に散歩をする。
興味のあることを調べてみる。
すると、以前よりも気持ちが落ち着くようになりました。
仕事を辞めたわけでもありません。
生活が大きく変わったわけでもありません。
ただ、自分の心が何を求めているのかに気づいたのです。
この話のように、
自分の気持ちに目を向けてみると、本当に大切にしたいものが見えてくることがあります。
孟子の「心を尽くして性を知る」という言葉は、そんなことを教えてくれているのではないでしょうか。
ことばの起源
『孟子』の「尽心章句」に、
「尽其心者、知其性也。知其性、則知天矣。」
とあります。
書き下すと、
「其の心を尽くす者は、其の性を知るなり。其の性を知れば、則ち天を知る。」
となります。
今回紹介している「心を尽くして性を知る」は、この一節から来ています。
意味を簡単にすると、
「自分の心を十分に知れば、自分の本性がわかる。そして、自分の本性を知ることで、人間や自然の大きな道理にも気づいていく」
という考え方です。
孟子は、孔子の教えを受け継いだ思想家として知られています。
『孟子』は、孟子の言葉や思想をまとめた書物で、全七篇から構成されています。
『論語』と並ぶ儒教の重要な書物で、「四書」の一つにも数えられています。
日本でも『孟子』は長く読まれてきました。
特に江戸時代には儒学が広まり、孟子の思想も学問や教育の中で受け継がれていきました。
ただ、現代の私たちが読むときは、難しい思想として構える必要はありません。
「あなたは、自分の心をちゃんと見ていますか?」
そう問いかけられているように読むと、2000年以上前の言葉なのに、今の私たちの生活にも意外と身近に感じられます。
おすすめ書籍
『あなたはもう、自分のために生きていい』(著:Poche)
「心を尽くして性を知る」という言葉のように、自分の心に目を向け、本当に大切なものを考えるきっかけになる一冊です。
周りの期待に応えようと頑張るうちに、自分の気持ちを後回しにしてしまうことはありませんか。
本書は、そんなときに「自分はどうしたいのか」を考え、自分らしく生きることの大切さをやさしく伝えてくれます。
これからの人生を、自分の気持ちも大切にしながら過ごしたい方におすすめです。
まとめ
「心を尽くして性を知る」という言葉は、
自分の心を深く見つめることで、本当の自分や大切にしたいものが見えてくる
という意味です。
毎日を忙しく過ごしていると、自分の気持ちはつい後回しになります。
仕事、家族、周りの人のことを優先しているうちに、
「自分は何が好きだったんだろう?」
「これから何を大切にしたいんだろう?」
と、わからなくなることもあります。
そんなときは、無理に答えを出さなくても大丈夫です。
まずは、自分の心に少し目を向けてみる。
「今日は何をすると気分がラクになるかな?」
「最近、本当は何をやりたいと思っていたかな?」
そんな小さな問いかけでもいいと思います。
自分の心を見つめることは、特別なことではありません。
むしろ、これからの自分を大切にするための、静かな一歩なのかもしれません。
孟子の「心を尽くして性を知る」という言葉を、そんなふうに受け取ってみてはいかがでしょうか。
それでは、また次回👋