
「まごころ」と「信頼」が正しい道を導いてくれる
正しいことって、時々すごくむずかしく感じませんか?
「これは本当に正しいのかな」と迷ったり、「正しいことをしたのに損をした」と感じたり。
そんな時、孔子が教えてくれるヒントがこの言葉です。
忠信行えば、義に至らん
意味は、「まごころ(忠)と信頼(信)を持って行動すれば、やがて“義”(正しさ)にたどり着ける」ということ。
つまり、正しさに自信がなくても、誠実に、うそをつかずに行動すれば、自ずと正しい道に導かれるという、人生の指針のような教えです。
たとえ話
ある若者が、初めての職場で仕事を覚えながら奮闘していました。
「自分のやり方が正しいのか」と不安に思いながらも、彼はいつも誠実に対応し、同僚やお客さんにも丁寧な言葉で接し続けました。
ある日、トラブルが起きたとき、彼のまっすぐな姿勢を見てきた周囲の人たちは「この人の言うことなら信じられる」と自然と協力し、問題は大事にならずに解決。
結果的に、彼の誠実さが“正しさ”を引き寄せたのです。
これはまさに、「忠信を行えば、義に至る」ことを表す現代の例と言えるでしょう。
出典と意味
この言葉は『論語』の衛霊公篇に登場します。
子曰く、忠信行えば、義に至らん。敬慎持すれば、恥を辱められざらん。
ここで孔子は、「忠(まごころ)と信(信頼)を行えば、人としての正義(義)に至る」と言い、さらに「敬(つつしみ)と慎(しんちょう)を保てば、恥ずかしい思いをしなくて済む」と続けます。
つまり、「自分を磨く道は、難しく考えるよりも、日々の誠実さと信頼を大切にすることから始まる」という教えです。
現代に活かす
私たちはときに、「正しいことを証明しよう」として相手を言い負かしたくなることがあります。
でも、孔子が大事にしているのは、「正しさを貫く姿勢」ではなく「まごころと思いやりのある行動」。
- 嘘をつかない
- 相手を思って行動する
- 言ったことを守る
そうした行いが、最終的に「この人は信じられる」と評価され、自然と“正しい在り方”として周囲から受け入れられるのです。
おわりに
人生には「何が正しいかわからない」と悩む場面がたくさんあります。
でも、そんな時にこそ、孔子のこの一言を思い出してみてください。
「忠信行えば、義に至らん」
- まごころを忘れず
- 嘘をつかず
- 誠実な行動を重ねる
それこそが、遠回りに見えて、実は最も確かな“正しい道”につながっているのです。

