022【人能く道を弘む、道人を弘むるに非ず】(ひとよくみちをひろむ、みちひとをひろむるにあらず)

~自分次第で、人生の道は広がる~

はじめに

こんにちは、

今回は論語の中でも、自分の行動や心がけによって人生が変わっていくという力強い教えをご紹介します。

人能ひとよみちひろむ、道人みちひとひろむるにあらず」という言葉です。

一見すると難しそうな言葉ですが、実は現代の私たちにも深く響く、シンプルで前向きなメッセージが込められているんです。

意味と現代語訳

人が道(みち)を広げるのであって、道が人を広げるのではない。

ここでの「道」とは、人生の道・学びの道・徳の道など、広い意味での「生き方」や「理念」を指しています。

つまり、

「どんな道を歩むか」よりも、「自分がどうその道に取り組むか」が大切なんだよ

ということを教えてくれています。

たとえ話

ある町に、小さなカレー屋を始めた青年・タクヤがいました。

彼の店は最初、お客さんもまばらで、「この道(商売)は自分には向いてないのかも…」と悩んでいました。

ある日、常連のおばあちゃんにこう言われます。

「あんたの笑顔とカレーが好きやけん、また来たくなるんよ」

その一言でタクヤはハッとします。

それからというもの、彼は毎日、自分にできる最高の笑顔と一皿を心がけるようになりました。

レシピの研究、お店の掃除、接客の工夫――彼の「道」は、努力と工夫によって、どんどん広がっていきました。

数年後、タクヤのカレー屋は評判になり、町の名物店に。

まさに「人が道を弘む」ことを体現したお話です。

起源と背景

この言葉は、中国の思想家・孔子が弟子たちに説いた言葉で、『論語』の「衛霊公えいれいこう」という章に出てきます。

当時、「道」というものは神聖で、偉大な人にしか扱えないと思われがちでした。

そんな中、孔子はこう説きます。

「いやいや、『道』というのは偉人だけのものじゃない。人が真剣に学び、実践することで広がっていくんだよ。

この言葉は、時代や立場を問わず、「あなた自身の努力が未来を創る」というメッセージを持っています。

おわりに

「自分にはまだ力がない」「この道は向いてないかも」と思ってしまうことってありますよね。でも、今回の論語の言葉が教えてくれるのは、

道の価値を決めるのは、自分自身の取り組み方だ

ということです。

もし、今あなたが何かに挑戦していたり、悩んでいたりするなら――

この言葉を思い出してみてください。

人能ひとよみちひろむ、道人みちひとひろむるにあらず」

自分の力で、道はきっと広がっていきます。