023【君子は言に訥にして、行いに敏ならんと欲す】(くんしはいにとつにして、おこないにびんならんとほっす)

私たちは日々、言葉や行動でまわりの人と関わっています。

でも、「言うだけで行動しない人」と「多くを語らず行動で示す人」、どちらが信頼されるでしょうか?

今回は、そんな“言葉と行動のバランス”について、論語の中の一節をたとえ話とともにご紹介します。

原文と読み方

君子くんしげんとつにして、おこないにびんならんとほっす。

現代語訳

「立派な人は、言葉は慎重に、行動は素早くしたいと思うものだ」

たとえ話

ある会社にふたりの社員がいました。

ひとりは、何かあるたびに「俺に任せろ!」「売上倍にしてやるよ!」と大きなことを言うAさん。

でも、実際の仕事は遅れがちで、結果もいまひとつ。

もうひとりは、あまり多くを語らないBさん。

会議ではあまり発言しませんが、地道に努力し、いつも納期を守り、成果を出します。

数ヶ月後、上司が評価したのは、もちろんBさんでした。

言葉でアピールするのは簡単。

でも、行動こそが本当の信頼をつくるのです。

この言葉の起源

この言葉は、古代中国の思想家・孔子がまとめた書物『論語』の中の一節です。

論語は、孔子の教えや弟子たちとのやりとりを記録したもので、紀元前5世紀ごろの思想がつまっています。

「訥(とつ)」とは、言葉が滑らかでない様子、つまり“口下手”という意味です。

しかし、ここで孔子が伝えたかったのは、「しゃべるのが下手でもいい、むしろ慎重であるべき。それよりも、行動こそ大事だ」という教えです。

まとめ

この言葉は、今の私たちにもぴったり響きます。

SNSで発信するのが当たり前の時代、つい“言うだけ”になってしまいがち。

でも、言葉よりも行動。

静かに、着実に、行動で信頼を積み重ねる人こそ、本当にカッコイイのかもしれませんね。

次回も、論語から日々のヒントになる言葉を紹介していきます🌿

「いい言葉だな」と思ったら、ぜひあなたの毎日に活かしてみてください。