サンクコスト効果とは|「もったいない」で損をしないための心理学

こんにちは!

今日は、毎日の生活にも関係する「サンクコスト効果」について紹介します。

「せっかくここまでやったんだから、もう少し続けよう」

「ここまでお金を使ったんだから、やめるのはもったいない」

「時間をかけてきたから、今さらやめられない……」

こんなふうに考えてしまうこと、ありませんか?

実はこれ、「サンクコスト効果」が関係しているかもしれません。

サンクコスト効果とは?

サンクコスト効果とは、これまでに使ったお金・時間・労力などを「もったいない」と感じて、そのことに引っ張られ、やめたり方向を変えたりしにくくなる心理的な傾向のことです。

「サンクコスト」は、日本語では「埋没費用」といいます。

簡単にいうと、

「すでに使ってしまって、もう戻ってこないもの」

のことです。

たとえば、映画のチケットを買って映画館に行ったとします。

ところが、映画を見始めてみたら、

「思っていたより面白くない……」

と感じました。

それでも、

「せっかくお金を払ったんだから、最後まで見ないともったいない」

と思って、そのまま見続けてしまう。

これがサンクコスト効果のわかりやすい例です。

「もったいない」が判断を変えてしまう

ここで、ちょっと考えてみましょう。

映画のチケット代は、途中で帰ったとしても戻ってきません。

だからこそ、本来は、

「このまま見続けたいか?」

「残りの時間を別のことに使いたいか?」

を考えたほうがいいですよね。

ところが私たちは、

「せっかくお金を払ったのだから」

という気持ちに引っ張られてしまいます。

過去に使ったお金や時間を無駄にしたくない。

そんな気持ちが、今の判断に影響してしまうのです。

日常生活にもサンクコスト効果はある

サンクコスト効果は、映画だけの話ではありません。

たとえば、こんな場面があります。

・買ったけれど、ほとんど着ていない服

「高かったから、いつか着るかもしれない」と残している。

・読み始めたけれど、面白くない本

「ここまで読んだから」と最後まで読もうとする。

・長く続けているけれど、あまり効果を感じないこと

「今まで頑張ってきたから」とやめられない。

・使わなくなったサービス

「お金を払ったんだから」と解約を先延ばしにする。

こうした場面には、「今まで使ったお金や時間を無駄にしたくない」という気持ちが関係しています。

なぜ「ここまでやったから」が危険なの?

「ここまでやったんだから、もう少し……」

この考え方自体が悪いわけではありません。

努力を続けることで、結果につながることもあります。

ただし、問題なのは、

「今まで使ったものを無駄にしたくない」という理由だけで続けてしまうこと

です。

たとえば、あることに10万円使ったとします。

でも、今後さらに10万円かかるとわかった。

しかも、続けても自分にとってあまりメリットがなさそうです。

このとき、

「もう10万円使ってしまったから、続けるしかない」

と考えるのは、少し注意が必要です。

最初に使った10万円は、もう戻ってきません。

だからこそ、過去に使った10万円ではなく、これから使うお金や時間について考える必要があります。

大切なのは、

「これからさらにお金や時間を使う価値があるか?」

を考えることです。

過去ではなく、これからを見る。

これがサンクコスト効果に振り回されないためのポイントです。

「もったいない」と思ったら、一度立ち止まる

では、どうすればサンクコスト効果を避けられるのでしょうか。

おすすめなのは、

「もし今まで何もしていなかったとしても、それを選ぶ?」

と考えてみることです。

たとえば、今まで半年続けてきた習い事があるとします。

でも、最近は楽しくないし、これから続けたいとも思わない。

そんなとき、

「半年も続けたんだから、やめるのはもったいない」

と考えるのではなく、

「今日初めてこの習い事を知ったとして、それでも始めたいと思う?」

と考えてみます。

「いや、たぶん始めないな」

と思ったなら、見直してみてもいいかもしれません。

過去に使った時間を取り戻すことはできません。

でも、これから使う時間は、自分で選ぶことができます。

サンクコスト効果は「やめる勇気」にも関係している

何かをやめることは、意外と難しいものです。

「せっかくここまで頑張ったのに……」

「今までの努力が無駄になってしまう……」

そんな気持ちが出てくるからです。

でも、やめることと、今までの努力を否定することは同じではありません。

これまで経験したことは、これからの判断材料になります。

たとえ途中でやめたとしても、

「自分には合わなかった」

「こういう方法は続かなかった」

と知ることができれば、それもひとつの経験です。

大切なのは、

「今までどれだけ使ったか」ではなく、「これからどうしたいか」

です。

サンクコスト効果を知っているだけでも変わる

サンクコスト効果を知っているからといって、いつも正しい判断ができるわけではありません。

「もったいない」と感じる気持ちは、誰にでもあります。

だからこそ、

「もしかして、今の自分は『ここまでやったから』に引っ張られているかも」

と気づけることが大切です。

気づけば、

「このまま続ける意味はある?」

「これから時間やお金を使う価値はある?」

と、一度立ち止まって考えられます。

それだけでも、判断は少し変わってきます。

📚おすすめ書籍

『サンクコスト時間術』(著:斎藤広達)

「せっかくここまでやったのだから」「今まで使った時間が無駄になるから」と、過去に使った時間に引っ張られていませんか?

本書では、行動経済学の「サンクコスト」という考え方を時間の使い方に当てはめ、「もったいない」という気持ちに引っ張られず、限られた時間をどう活用するかをわかりやすく紹介しています。

時間をもっと大切に使いたい人におすすめの一冊です。

まとめ

今回は、サンクコスト効果について紹介しました。

「ここまでやったんだから」

「せっかくお金を使ったんだから」

「今さらやめるのはもったいない」

そんな気持ちが、これからの判断に影響してしまうことがあります。

もちろん、続けることが大切な場合もあります。

でも、

「過去に使った時間やお金」ではなく、「これからどうしたいか」

を考えることも大切です。

そして、迷ったときに「これからも続けたい?」と考えることを習慣にすると、無理に続けてしまうことも少しずつ減らせます。

「もったいないから続ける」のではなく、

「これからも続けたいから続ける」

そんな選び方ができるといいですね。

それでは、また次回。