生を舎てて義を取る。|人として正しい道を選ぶこと

こんにちは!

今回紹介することばは、「せいててる」です。

「命より大切なものなんて本当にあるの?」と思う人もいるかもしれません。

でも、このことばは「命を粗末にしよう」という意味ではありません。

今回は、このことばの意味を、たとえ話を交えながらわかりやすく紹介します。


ことばの意味

「生を舎てて義を取る」とは、自分の利益や命よりも、人として正しい道を選ぶことを大切にするという意味です。

「義」とは、人として守るべき正しい道や道理のことです。

人は生きていると、「自分だけ助かればいい」「少しぐらいなら嘘をついてもいい」と考えたくなる場面があります。

そんなときでも、自分の良心に従って正しい道を選ぶことが、本当に価値のある生き方だと孟子は伝えています。

もちろん、現代では命を懸けるような場面はほとんどありません。

それでも、

  • 間違っていたら素直に謝る
  • 誰も見ていなくても約束を守る
  • 損をしても正しいことを選ぶ

そんな日々の積み重ねが、このことばにつながっています。


たとえ話

ある会社で、部下の健一さんは大きなミスを見つけました。

でも、そのミスを報告すると、取引先との契約が延期になり、自分も上司から叱られるかもしれません。

同僚からは、
「黙っていれば誰にも分からないよ。」
と言われました。

健一さんは悩みましたが、「あとで大きな問題になるくらいなら、今きちんと伝えよう」と決めます。

結果として契約は延期になりましたが、会社は大きな損失を防ぐことができました。

後日、上司からも
「勇気のある判断だった。」
と感謝されます。

この話のように、目先の損や自分の利益よりも、正しい行動を選ぶことが「生を舎てて義を取る」という考え方なのです。


ことばの起源

このことばは、中国の思想家 孟子 が残した『孟子』にある言葉です。

原文では、

「生も亦(また)我が欲する所なり、義も亦我が欲する所なり。二つを兼ぬるを得ざれば、生を舎てて義を取る者なり。」

と書かれています。

意味は、

「命も大切であり、人として守るべき正しい道も大切である。しかし両方を選べないなら、正しい道を選ぶ。」

ということです。

この教えは日本にも古くから伝わり、武士道の考え方にも大きな影響を与えたとされています。

今でも、「信頼を失わないこと」「誠実であること」を大切にする考え方として受け継がれています。


おすすめ書籍

『孟子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』(編:角川書店)

孟子の教えを現代語訳とわかりやすい解説で学べる入門書です。

「生を舎てて義を取る」をはじめとする代表的な言葉が、当時の背景とともに丁寧に紹介されているため、言葉の意味だけでなく、孟子が何を伝えたかったのかまで理解できます。

現代語訳と読みやすい解説が添えられているので、古典に慣れていない人でも安心して読み進められます。

この記事を読んで孟子の考え方に興味を持った方が、最初の一冊として手に取りやすいおすすめの書籍です。


まとめ

「生を舎てて義を取る」とは、自分の利益よりも、人として正しいことを選ぶ大切さを教えてくれる言葉です。

毎日の生活では、大きな決断よりも、小さな誠実さが試される場面のほうが多いかもしれません。

そんなとき、このことばを思い出せば、自分が後悔しない選択ができるはずです。

正しい道を選ぶには、ときには勇気が必要です。

でも、その積み重ねが、自分への信頼や周りからの信頼につながっていきます。

それでは、また次回👋