087【賢を見ては斉しからんことを思い、不賢を見ては内に自ら省みる】 (けんをみては ひとしからんことを おもい、ふけんをみては うちに みずから かえりみる)

他人を見て落ち込むより、自分を見つめ直すチャンスにしよう。

こんにちは!今回の論語の言葉は、人との関わり方、自分の磨き方についての金言です。現代のSNS時代にも通じる、すごく深い内容ですよ。

「賢を見ては斉しからんことを思い、不賢を見ては内に自ら省みる」
(けんをみては ひとしからんことを おもい、ふけんをみては うちに みずから かえりみる)


やさしく言いかえると?

この言葉の意味はこうです。

「優れた人を見たら、自分もそうなれるよう努力しようと思いなさい。
反対に、至らない人を見たら、“自分も同じことをしていないか”と反省しなさい」

つまり、他人を見て比較するのではなく、学びと省みの材料にしようという教えです。


たとえ話でイメージしてみよう

あなたはある日、仕事でプレゼンをしたけれどイマイチだったと感じました。
その直後、同僚が完璧なプレゼンをして拍手喝采。

その瞬間、ふと心の中に浮かぶのは――
「自分には無理だな」
「なんであの人はあんなにできるんだろう」

でも、ここで孔子の言葉を思い出しましょう。

「あの人を見て落ち込むんじゃなく、“自分もああなれるよう努力しよう”と思えばいい」

逆に、職場でルールを破って注意された人を見たときも、
「バカだな」と思う前に、「自分も同じことしてないかな?」と振り返る。
これが、賢い人の心の持ちようだというのです。


背景:孔子が伝えたかったこと

孔子の教えは「他人を責めるな、自分を磨け」が基本。
この言葉もその精神が色濃く現れています。

「賢を見て斉しからんことを思う」は、理想を持ち、それを自分の成長の糧にすること
「不賢を見て内に自ら省みる」は、他人の失敗を、反面教師として自分の教訓にすること

つまり、人はすべて「自分を磨く鏡」になるということなんですね。


現代にどう活かす?

今の時代、SNSやYouTubeなどで「すごい人」を目にする機会が増えました。
でも、それと同時に「自分なんて…」と落ち込む人も増えています。

でも本来、他人は比較の対象ではなく、成長のヒントをくれる存在

  • 上手くいってる人を見たら、やり方を学ぼう。

  • 上手くいかない人を見たら、反面教師にして自分を省みよう。

それが孔子のいう「君子(立派な人)」の姿勢なんです。


おわりに

「賢を見ては斉しからんことを思い、不賢を見ては内に自ら省みる」

他人をうらやむより、自分を磨く
他人をさばくより、自分を省みる

この言葉を心にとどめておけば、人間関係も、日々の成長も、きっと変わってくるはずです。