
「その考え、ちょっと偏ってない?」…と言われたこと、ありませんか?
人は誰しも、自分の見てきた世界や経験から物事を判断します。
でも、その範囲のまま生きていくと、だんだん考えが固くなっていくもの。
そんなときこそ必要なのが、“学び”の力。
孔子は、学ぶことで人の心や考え方が広がると語ります。
論語の一節
子曰、「学べば則ち固ならず。」
(し のたまわく、「まなべば すなわち かたならず」)
現代語訳:
「人は学べば、偏屈ではなくなる」
または
「学び続けることで、視野が広がり、柔軟な人になれる」
ここでの「固し」は、頭が固い・視野が狭いという意味。
学ぶことで、偏りや思い込みから自由になることができるという教えです。
たとえ話
昔々、とある町に、ちょっと頑固なおじいさんがいました。
「ワシの若い頃はこうだった!」
「今どきのやり方なんて信用ならん!」
と、いつも同じ話ばかり。
そんなおじいさんの孫は、本が大好き。
いろんな国の文化、歴史、科学、哲学を楽しそうに読んでいました。
ある日、孫が「おじいちゃん、こういう考え方もあるよ」と話します。
おじいさんは最初、「そんなのは絵空事じゃ」と言っていましたが、孫が丁寧に本を読んで聞かせるうちに、だんだん表情がやわらぎます。
数ヶ月後、
「ワシもちょっと読んでみようかのう」
と言い出すおじいさん。
そう、学びは人の心をやわらかくする力があるんです。
背景と教訓
孔子の時代も、今と同じように「自分の考えこそ正しい!」という頑固な人が多くいました。
でも孔子は、学ぶことで人は柔らかく、広く、そして謙虚になれると信じていました。
学びは、単に知識を増やすだけじゃありません。
- 違う考えを知ること
- 時代や立場の違いに気づくこと
- 自分の偏りに向き合うこと
それが「学び」の本質だと論語は教えてくれるのです。
まとめ
- 人は誰でも“かたくなる”
- でも、学べば視野が広がり、人にも優しくなれる
- いつでも柔らかな思考を持ち続ける人でありたい
何歳になっても、どんな立場になっても、「もっと知りたい」「もっと理解したい」という気持ちは宝物。
固くならないために、今日も一つ学んでみよう。