
寒くなってくると、急に食べたくなるものがあります。
そう、シチューです。
鍋に肉や野菜を入れて煮込んで、最後に「シチュールー」を入れる。
たったこれだけで、家庭でもコクのあるシチューが作れます。
でも、よく考えてみると不思議ですよね。
シチュールーには、いったい何が入っているのでしょうか?
なぜルーを入れるだけで、あんなにトロッとするのでしょう?
今回は、そんな身近なシチュールーのちょっと気になる話を見ていきます。
シチュールーって、そもそも何?
シチュールーは、シチューの味付けやとろみをつけるための材料を、あらかじめ組み合わせたものです。
商品によって違いますが、小麦粉や油脂、でんぷん、食塩、乳製品、香辛料など、いろいろな材料が使われています。
つまり、自分で小麦粉やバターなどを用意して、味付けやとろみを調整する手間を減らしてくれるわけです。
しかも、固形のルーなら必要な分だけ割って使えます。
「今日は4人分だから、これくらい」
と調整しやすいのも便利ですよね。
一から作ると手間のかかるシチューを、かなり簡単に作れるようにしてくれた存在ともいえます。
冷蔵庫を見て、「今日は何にしよう?」と悩んだときにも助かります。
こういう“料理の手間を減らしてくれるもの”って、地味ですがありがたいですよね。
なぜシチュールーを入れるとトロッとするの?
シチューといえば、あのトロッとした感じ。
実は、シチュールーに入っている小麦粉やでんぷんなどが、その食感に関係しています。
小麦粉やでんぷんなどが水分と結びつき、加熱されることで、とろみが出てきます。
だから、スープのようだった鍋にルーを加えると、だんだん濃厚なシチューらしくなっていくんですね。
ここが面白いところです。
ただ味をつけているだけではなく、「味」と「とろみ」をまとめて作っているわけです。
料理が苦手でも、ルーを使えばそれらしいシチューが作れる。
そう考えると、かなり便利な発明です。
鍋の中がサラサラからトロトロに変わっていくのを見ると、ちょっと料理上手になった気分になります。
クリームシチューとビーフシチューでルーが違うのはなぜ?
スーパーに行くと、シチュールーにもいろいろあります。
代表的なのが、クリームシチューとビーフシチューです。
同じ「シチュー」でも、味はかなり違いますよね。
クリームシチューなら、乳製品などを使ったまろやかな味。
ビーフシチューなら、肉や野菜に合う濃厚な味。
ルーには、それぞれの料理に合うように調味料や香辛料などが組み合わせられています。
だから、同じ材料を使っていても、ルーを変えるだけで料理の雰囲気がガラッと変わります。
鶏肉、じゃがいも、にんじん、玉ねぎ。
材料が似ていても、クリームシチューなら白くてまろやか。
別のルーを使えば、まったく違う一皿になります。
料理って、材料だけじゃなく「味付け」が変わるだけでも別の料理になるから面白いですよね。
シチュールーは「料理を簡単にする仕組み」だった
シチュールーのすごいところは、料理の知識がそれほどなくても使えることです。
たとえば、
「小麦粉はどれくらい?」
「バターは何グラム?」
「塩はどれくらい入れる?」
なんて考えなくても、基本的にはルーを入れて煮込めば形になります。
もちろん、野菜の切り方や火加減などによって、仕上がりは変わります。
それでも、味付けの難しい部分をルーがまとめてくれる。
これはかなり大きなポイントです。
考えてみれば、インスタント食品や冷凍食品も似ています。
全部を自分でやらなくてもいいように、面倒な部分をあらかじめ誰かがやってくれている。
シチュールーも、そんな「料理を楽にする工夫」の一つなのかもしれません。
忙しい日に「全部ちゃんと作らなくてもいい」と思えるだけで、料理のハードルはかなり下がります。
余ったシチュールー、どうする?
シチューを作ったあとに、
「ルーが少し余った……」
ということもありますよね。
そんなときは、無理に全部使い切る必要はありません。
ルーには使用量の目安がありますから、料理の量に合わせて使うことが大切です。
そして、シチューは一度にたくさん作ることも多い料理です。
翌日に食べたり、パンやご飯と合わせたりすると、また違った楽しみ方ができます。
ただし、保存するときは鍋のまま長時間常温に置かず、早めに冷まして冷蔵庫などで適切に保存することも大切です。
「昨日のシチューを今日食べる」
これだけでも、なんだか得した気分になります。
二日目のシチューって、なぜか少し特別な感じがするんですよね。
シチュールーは「料理を楽しくする道具」なのかもしれない
シチュールーを改めて見てみると、単なる調味料というより、料理を簡単にする工夫が詰まった食品なんだと感じます。
味付けを考える手間を減らし、とろみも出してくれる。
さらに、材料を少し変えれば、自分なりのシチューにもできます。
鶏肉を多めにする。
きのこを入れる。
ブロッコリーを加える。
少しチーズを加えてみる。
基本は同じでも、家庭によって味が変わるのもシチューの面白いところです。
「ルーの箱に書いてある通りに作る」のもいいですよね。
そこから少しずつ自分の好みに変えていくのも、また楽しいものです。
そう考えると、シチュールーは料理の完成品ではなく、料理を始めるための便利なスタート地点なのかもしれません。
身近すぎて気にしていなかったシチュールーですが、こうして見ると、なかなか面白い存在ですね。
おすすめ書籍
『料理の科学① 素朴な疑問に答えます』(著:ロバート・L・ウォルク)
普段何気なく作っている料理にも、「なぜこうなるんだろう?」という不思議がたくさんあります。
この本では、加熱するとどうなるのか、なぜ食材の食感が変わるのかなど、料理にまつわる身近な疑問をわかりやすく解説しています。
シチュールーのように、いつも使っている食品の仕組みに興味を持った人なら、「なるほど」と思える話が見つかるはずです。
料理を別の角度から楽しめる一冊です。