天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず|最後に大切なのは「人とのつながり」

こんにちは!

今回紹介することばは、孟子の有名な言葉です。

てんときかず、ひとかず。」

少し難しく感じますよね。

簡単に言えば、

「タイミングや環境よりも、人とのつながりのほうが大切」

という意味です。

仕事でも、趣味でも、何か新しいことを始めるときでも、人との関係は大きな力になります。

今回は、たとえ話を交えながら、この言葉をわかりやすく紹介します。


ことばの意味

まずは、それぞれの言葉を簡単に見てみましょう。

天の時とは、物事を始めるタイミングや、そのときの状況のことです。

地の利とは、その場所や環境が持っている有利な条件のこと。

そして、人の和とは、人と人との信頼や協力のことです。

この言葉は、

「どれだけ良いタイミングや環境があっても、人との協力には及ばない」

という考えを表しています。

たとえば、仕事で新しいことを始めるとします。

景気が良い。

会社の設備も整っている。

便利な場所にある。

こうした条件がそろっていれば、たしかに有利です。

でも、それだけでうまくいくとは限りません。

困ったときに助けてくれる人がいる。

一緒に協力してくれる人がいる。

お互いに信頼できる人がいる。

そんな人たちと一緒に働ける環境のほうが、最後には大きな力になることがあります。

つまり、この言葉は、

「条件ばかりを見るのではなく、人との関係を大切にしよう」

と教えてくれているんですね。


たとえ話

ここで、ある二人の店長の話を考えてみましょう。

AさんとBさんは、同じ地域で小さな店を始めました。

Aさんの店は、とても良い場所にあります。

駅から近く、人通りも多い。

設備も新しく、店内もきれいです。

一方、Bさんの店は駅から少し離れています。

設備も古く、決して条件が良いとは言えません。

最初は、Aさんのほうが有利に見えますよね。

ところが、しばらくすると状況が変わってきました。

Aさんは、

「場所が良いから、お客さんは来るだろう」

と考えていました。

そのため、店員との会話も少なく、お客さんの声にもあまり耳を傾けませんでした。

一方、Bさんは違いました。

店員とよく話し、

「どうすれば、お客さんに喜んでもらえるだろう?」

と一緒に考えていました。

お客さんから意見をもらえば、それも大切にしました。

少しずつ、

「この店は感じがいい」

「また来たい」

という人が増えていきます。

やがて、Bさんの店には常連客が増え、店員同士の関係も良くなりました。

最初は条件の悪かったBさんの店が、少しずつ人気になっていったのです。

この話のように、場所や設備などの条件だけで、結果が決まるわけではありません。

人が協力してくれること。

人から信頼されること。

そして、

自分も相手を大切にすること。

こうした「人の和」が、大きな力になることがあります。


ことばの起源

この言葉は、中国の思想家である孟子の言葉です。

『孟子』の「公孫丑下こうそんちゅうげ」に出てきます。

原文では、

天時不如地利、地利不如人和

と書かれています。

そのあとには、城を攻める話が続きます。

城には高い城壁があり、深い堀もある。

武器や食料もそろっている。

さらに、攻める側には有利な時期までそろっている。

それでも城を落とせない。

なぜなのか。

孟子は、その理由として「人和」を挙げています。

どれだけ立派な城でも、そこにいる人たちが心を一つにできなければ、守り続けることはできません。

反対に、人々が心を一つにして協力すれば、大きな力になります。

この考え方は、昔の戦いだけに当てはまるものではありません。

仕事でも、家庭でも、地域の活動でも同じです。

便利な道具や良い環境があっても、それを使う人同士の関係が悪ければ、なかなか物事はうまく進みません。

逆に、多少条件が悪くても、信頼できる人たちが協力すれば、思った以上の力を発揮できます。

だからこそ、この古い言葉が今でも残っているのでしょう。


おすすめ書籍

『私とは何か――「個人」から「分人」へ』(著:平野啓一郎)

人は、相手や環境によって、さまざまな自分を見せています。

この本では、そうした人との関わり方を「分人」という考え方から、わかりやすく説明しています。

「人の和」を考えるうえでも、自分と相手を無理に変えようとせず、それぞれの関係を見つめ直すヒントになります。

人間関係に少し疲れたときにも読みたい一冊です。


まとめ

今回紹介した言葉は、

「天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず。」

でした。

意味は、

「タイミングや環境よりも、人とのつながりのほうが大切」

ということです。

もちろん、良いタイミングも大切です。

環境を整えることも大切です。

でも、それ以上に大切なのは、人との信頼関係なのかもしれません。

一人ですべてを何とかしようとすると、どうしても限界があります。

そんなときは、

「誰かに相談してみる」

「相手の話を聞いてみる」

「ありがとうを伝えてみる」

そんな小さなことから始めてみるのもいいかもしれません。

人とのつながりは、目には見えません。

でも、困ったときには大きな力になってくれます。

今日、身近な人に一言だけでも、

「ありがとう」

と伝えてみてはいかがでしょうか。

それでは、また次回👋