このお城には、どんな城主がいたんだろう?|人物から見る日本の名城

「このお城には、どんな城主がいたんだろう?」

お城を訪れると、まず目に入るのは天守や石垣です。

大きな天守を見上げたり、立派な石垣を眺めたりするだけでも、お城巡りは十分楽しめます。

でも、そこにいた城主や、その城を築いた人物のことを少し知ってから見ると、同じお城でも印象が変わってきます。

天下統一を目指した武将。

城下町を発展させた大名。

敵から城を守るため、石垣や縄張りに工夫を凝らした築城の名手。

お城には、それぞれ違った人物の物語があります。

日本には、昔の姿を今に伝える城や城跡が数多く残っています。

今回は、現在も見学できる有名な城や城跡を、城主や築城・整備に関わった人物とともに紹介します。

「名前は知っているけれど、どんな人がいたのかはよく知らない」というお城があれば、そこから見てみるのも面白いと思います。

戦国武将とゆかりの深いお城

まずは、戦国時代から江戸時代初めにかけて、武将たちが築城や城の整備に関わったお城です。

松本城|石川数正・石川康長

松本城の現在の姿につながる整備を進めたのが、石川数正と、その子・康長です。

数正はもともと徳川家康の重臣でしたが、のちに豊臣秀吉の家臣となり、1590年に松本へ入ります。

数正と康長は、城郭や城下町の整備を進めました。

康長の時代に天守の建築が進められ、大天守、乾小天守、渡櫓が築かれたとされています。

黒と白のコントラストが美しい松本城。

石川親子がこの城を整えていった時代を思い浮かべながら眺めると、少し違った見方ができます。

姫路城|池田輝政

姫路城といえば、白く輝く姿から「白鷺城」とも呼ばれる名城です。

関ヶ原の戦いの後、城主となった池田輝政が大規模な改築を行いました。

現在の天守群も、この時代に整えられたものです。

国宝に指定され、世界文化遺産にも登録されています。

写真で見るだけでも美しいお城ですが、実際に歩いてみると、天守だけでなく門や曲輪など、城全体の大きさにも驚かされます。

「これぞ日本のお城」という姿を見てみたいなら、一度は訪れたいお城です。

熊本城|加藤清正

加藤清正は、築城の名手として知られる武将です。

熊本城を築く際には、巨大な石垣や複雑な城の構造を取り入れました。

なかでも有名なのが「武者返し」と呼ばれる石垣です。

下のほうは比較的ゆるやかですが、上に行くほど急に反り返る形になっています。

敵が簡単に登れないようにするための工夫です。

現在の天守は再建されたものですが、石垣などには長い歴史を感じさせる部分が残っています。

「この石垣を、なぜこんな形にしたんだろう?」

そんなふうに見て歩くと、加藤清正の築城へのこだわりも少し見えてきます。

仙台城跡|伊達政宗

伊達政宗は、東北を代表する戦国武将です。

「独眼竜」の異名でも知られています。

政宗は仙台城を築き、城だけでなく仙台の町づくりも進めました。

現在、天守は残っていませんが、石垣などの遺構を見ることができます。

高台にあるため、仙台市街を眺められるのも魅力です。

天守を見るお城とは少し違いますが、

「政宗は、ここからどんな町をつくろうとしたんだろう?」

そんなことを考えながら歩いてみると、城跡の見え方も変わってきます。

上田城跡|真田昌幸

上田城は、真田昌幸が築いたことで知られています。

真田昌幸といえば、徳川軍を二度にわたって退けたことで有名な武将です。

現在は天守こそ残っていませんが、復元された櫓などを見ることができます。

城跡を歩きながら、昌幸がどのように城を守ろうとしたのかを想像してみるのも面白いところです。

天守が残っていなくても、お城巡りは楽しめます。

むしろ、残された石垣や地形から、昔の城を想像する楽しさがあります。

江戸時代の大名とゆかりのあるお城

戦国時代が終わると、お城の役割も少しずつ変わっていきます。

戦うための場所だけではなく、藩を治める政治の中心としても使われるようになりました。

彦根城|井伊氏

彦根城は、徳川家康の重臣だった井伊氏の居城です。

井伊直政の死後、子の直継や直孝の時代に築城が進められました。

現在も天守が残る、国宝のお城です。

天守だけでなく、櫓や門なども残っているため、城の雰囲気を感じながら歩くことができます。

「ひこにゃん」で知っている人も多いかもしれません。

観光地として楽しみながら、井伊氏が治めた時代にも目を向けてみると、また違った面白さがあります。

犬山城|成瀬氏

犬山城は、愛知県犬山市にある国宝のお城です。

江戸時代には成瀬氏が城主となり、幕末まで犬山を治めました。

現存する天守は、江戸時代から続く木造の姿を今に伝えています。

天守の最上階からは、木曽川や犬山市街を眺めることができます。

古い木造天守に実際に登ってみると、現代の建物とは違う感覚を味わえます。

「この場所から、城主はどんな景色を見ていたんだろう?」

そんな想像をしながら眺めるのも、お城巡りの楽しみの一つです。

高知城|山内一豊

山内一豊は、関ヶ原の戦いの後に土佐へ入った大名です。

高知城を築き、城下町の整備も進めました。

現在の高知城には、天守だけでなく本丸御殿も残っています。

天守と本丸御殿がそろって残る、貴重なお城です。

山内一豊だけでなく、妻・千代のエピソードもよく知られています。

お城だけでなく、そこで生きた人たちのことまで知ると、歴史が少し身近に感じられます。

松江城|堀尾吉晴

松江城は、堀尾吉晴が築城を進めたお城です。

吉晴は豊臣秀吉や徳川家康に仕えた武将として知られています。

現在の天守は国宝に指定されています。

黒い板張りの外観は落ち着いた雰囲気があり、白い天守とはまた違った魅力があります。

天守からは松江市街や宍道湖を眺めることもできます。

城を見たあとに景色を眺めながら、ここで暮らした人たちのことを考えてみるのもいいかもしれません。

丸亀城|生駒氏・京極氏

丸亀城は、香川県にある現存天守の一つです。

生駒氏の時代に城が整えられ、その後は京極氏が城主となりました。

丸亀城の大きな特徴は、巨大な石垣です。

天守そのものは小さいのですが、高く積まれた石垣との組み合わせがとても印象的です。

「大きな天守がある城ほどすごい」というわけではありません。

石垣や地形まで含めて見ると、お城にはいろいろな個性があることが分かります。

昔の姿を感じられる建物が残るお城

最後は、天守だけでなく、櫓や門、御殿など、昔の姿を感じられる建物が残るお城です。

弘前城|津軽為信・津軽信枚

弘前城は、青森県弘前市にある現存12天守の一つです。

津軽為信が築城を計画し、その子・信枚の時代に築城が進められました。

現在も天守や櫓、門など、江戸時代から残る建物を見ることができます。

春には桜の名所としても知られています。

歴史を感じながら、季節の景色まで楽しめるのが弘前城の魅力です。

丸岡城|柴田勝豊

丸岡城は、福井県坂井市にある現存天守です。

織田信長の家臣・柴田勝家の甥である柴田勝豊が築いたとされています。

小さな天守ですが、戦国時代の面影を感じさせる建築様式が魅力です。

石瓦を使った屋根も特徴の一つ。

大きくて豪華なお城とは違い、昔のお城らしい雰囲気を楽しめます。

備中松山城|水谷勝宗

備中松山城は、岡山県高梁市にある現存12天守の一つです。

標高約430メートルの臥牛山にあり、雲海に浮かぶ姿から「天空の城」としても知られています。

江戸時代には水谷氏などが城主を務めました。

山の上に残る天守と石垣は、とても印象的です。

登るのは少し大変ですが、山城ならではの景色を楽しめます。

「なぜ、こんな山の上に城をつくったんだろう?」

そう考えながら登ると、城の立地にも興味が出てきます。

松山城|加藤嘉明

愛媛県の松山城は、加藤嘉明が築城を始めたお城です。

その後、蒲生氏や松平氏などが城主となりました。

山の上に本丸があり、天守からは松山市街を広く見渡せます。

天守だけでなく、櫓や門など多くの建物が残っています。

城の中を歩き回りながら、いろいろな角度から城を眺められるのも魅力です。

「天守を見る」というより、「城を歩く」ことそのものを楽しみたい人にも向いています。

宇和島城|藤堂高虎・伊達氏

宇和島城は、築城の名手として知られる藤堂高虎が整備したお城です。

その後、伊達氏が城主となり、明治維新まで宇和島を治めました。

現在も天守が残る、現存12天守の一つです。

大きなお城ではありませんが、山の上に残る天守には落ち着いた美しさがあります。

天守まで歩いていきながら、

「ここを治めていた人は、どんな町を見ていたんだろう?」

と考えてみるのも面白いところです。

名古屋城|徳川家康

名古屋城は、徳川家康が九男・徳川義直の居城として築いたお城です。

金のしゃちほこで有名なので、名前を知っている人も多いでしょう。

天守は戦災で焼失し、現在の天守は再建されたものです。

一方、本丸御殿は復元され、江戸時代から残る櫓もあります。

現在は本丸御殿などを見学できますが、天守には入れません。

天守だけでなく、残された建物や復元された建物から、尾張徳川家の時代を感じることができます。

金沢城|前田氏

金沢城は、加賀百万石で知られる前田氏の居城です。

前田利家が金沢に入り、城と城下町の発展を進めました。

天守は残っていませんが、石川門などの歴史的な建物が残っています。

菱櫓や五十間長屋なども復元されています。

兼六園と一緒に訪れると、加賀藩の歴史をより楽しめます。

「大名が住んでいた城」という視点で見ると、金沢城の大きさや城下町とのつながりも気になってきます。

掛川城|山内一豊

掛川城は、山内一豊が城主を務めたことで知られています。

一豊は掛川城の大改修を行い、城下町の整備にも力を入れました。

現在の天守は復元されたものですが、二の丸御殿は江戸時代から残る現存建築です。

復元された天守と、実際に残っている御殿を一緒に見ることができます。

「昔の城主が実際に使った建物を見てみたい」という人には、面白いお城です。

岸和田城|小出秀政・岡部氏

岸和田城は、大阪府岸和田市にあるお城です。

豊臣秀吉の家臣だった小出秀政が入城した後、近世城郭として整備されました。

その後は岡部氏が長く城主を務めています。

天守は落雷で焼失しましたが、現在の天守は1954年に再建されたものです。

天守だけでなく、石垣や庭園なども見ることができます。

大阪にも、こうした城の歴史が残っていると思うと、少し身近に感じられるかもしれません。

まとめ

お城を訪れると、つい天守や石垣に目が行きます。

もちろん、それだけでも十分楽しめます。

でも、

「ここには、どんな城主がいたんだろう?」

と考えてみると、お城がただの古い建物ではなくなってきます。

加藤清正のように、築城で名を残した武将。

伊達政宗のように、城と一緒に町づくりを進めた武将。

池田輝政のように、大規模な改築によって現在の姿につながる城を整えた人物。

そして、江戸時代にそれぞれの藩を治めた大名たち。

同じ「お城」でも、そこに関わった人物によって歴史は大きく違います。

次にお城を訪れるときは、天守を見る前に、その城の名前と城主を少しだけ調べてみるのもいいかもしれません。

「この人が、ここにいたんだな」

それが分かるだけで、石垣や天守を見る目が少し変わります。

お城巡りは、建物を見るだけではありません。

そこにいた人たちのことを想像しながら歩くと、昔の景色まで少し身近に感じられます。

次のお城では、

「このお城には、どんな城主がいたんだろう?」

そんなところから、歴史を楽しんでみてください。

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城の知識がなくても楽しみやすい一冊です。

「このお城はどんな城だったんだろう?」

そんなところから、気になるお城を探してみるのも面白そうです。

お城を訪れる前に、その城の特徴や歴史をざっくり知っておくと、実際に訪れたときの楽しみ方も変わってきます。