080【士は以て弘毅ならざるべからず。任重くして道遠し】(しはもってこうきならざるべからず。にんおもくしてみちとおし)

人生の目標を本気で追いかけようとしたとき、

やることが多すぎて気が遠くなったり、

人に笑われて不安になったり――

途中で投げ出したくなること、ありますよね。

でも、「遠くまで行こう」とする人こそ、強い心を持たねばならない

そう語ったのが、今回ご紹介する孔子の言葉です。

論語

子曰、「もっ弘毅こうきならざるべからず。任重にんおもくして道遠みちとおし。」

現代語訳:

「志ある者は、心が広く強くなければならない。なぜなら、担うべき責任は重く、進むべき道は長いからだ」

たとえ話

ある日、青年がフルマラソンに挑戦することを決めました。

理由はシンプル、「何かに本気で挑戦したい」と思ったから。

最初はやる気に満ちていましたが、練習が進むにつれて疲労、挫折、周囲からの冷ややかな視線に心が折れそうに。

それでも青年は、こう思い直しました。

「42.195kmの道のりは、長いからこそ意味がある」

「この重さを乗り越える力を、自分の中に育てよう」

完走したとき、彼の目には涙があふれていました。

それはゴールへの達成感だけでなく、自分自身を信じ切った証でもあったのです。

まさに孔子の言う「任重くして道遠し」、

そして「弘毅(広く強い心)」を体現した姿でした。

背景と意味

こう」は心が広いこと、「」は意志が強いこと。

孔子が理想とした“士(し)”とは、

社会のため、他人のために志を抱き、行動する人物。

その人物には、広い心と折れない意志が必須であると説いています。

なぜなら、その人の背負う責任(任)は重く、

理想にたどり着くまでの道(道)は遠いからです。

まとめ

  • 大きな目標には、それに見合う「器」が必要
  • 責任や道のりの“重さと長さ”に耐える強さを持とう
  • 「広い心」と「強い意志」があれば、人はどこまでも進める

夢を追うのは簡単じゃないけれど、

その道を「遠く長く」歩こうとするあなたを、

孔子は静かに励ましてくれています。

「だからこそ、君は弘毅であれ」と。