029【これを知る者は、これを好む者に如かず。これを好む者は、これを楽しむ者に如かず】(これをしるものは、これをこのむものにしかず。これをこのむものは、これをたのしむものにしかず)

こんにちは!

今回は論語の中でも「学び」に対する孔子の深い洞察が込められた名言をご紹介します。

私たちはよく、「知っている」だけでは足りない、「好き」な気持ちが大事だよ、なんて言いますよね。

でも孔子はさらにその先――「楽しむ」ことの大切さまで語っています。

この言葉、あなたの学び方や仕事への向き合い方を変えるヒントになるかもしれません。

この言葉の意味

「これを知る者は、これを好む者に如かず。これを好む者は、これを楽しむ者に如かず」
(知っているだけの人は、それを好きな人にはかなわない。好きな人も、それを心から楽しんでいる人にはかなわない)

孔子は、「知識を得ること」は大切だけれど、それ以上に「それを好きになること」、そして究極的には「楽しむこと」がもっと大切だと説いています。

学びでも仕事でも、「知っている」だけの段階では、まだ表面をなぞっているにすぎません。

でも「好きになる」と自分から進んで学ぶようになり、「楽しむ」ようになれば、もはやそれは苦ではなく、自分の一部になっていきます。

たとえ話

例えば3人の大工さんがいたとします。

  • 一人目は、マニュアル通りにただ仕事をこなしている人(知る者)
  • 二人目は、木材や道具に興味があって、熱心に作業している人(好む者)
  • 三人目は、建物を設計するところから完成までの過程そのものが楽しくて仕方ない人(楽しむ者)

当然、一番上達が早く、より良い家を作れるのは三人目でしょう。

楽しんでいるからこそ、工夫し、失敗しても諦めず、継続できるのです。

起源と背景

この言葉は、『論語』の「雍也ようや」という章に登場します。

孔子が「学び」について語る中で、生徒たちに向けてその姿勢を問い直すように伝えた一節です。

「知る」ことだけで満足していてはいけない。

知識に触れたなら、それを好きになる努力をしよう。

そして、好きになったなら、もっと深く、楽しめるようになろう。

――そんなメッセージが込められています。

孔子の時代でも、単に勉強するだけでなく、自分の心が動くものとどう向き合うかが大事にされていたのですね。

現代にどう活かす?

この言葉は、今の時代にも通じるメッセージです。

たとえば英語学習、プログラミング、スポーツ、どんな分野でも――

  • 「知る」:知識を得る。教科書や動画で学ぶ。
  • 「好む」:興味を持って調べたり、実際にやってみる。
  • 「楽しむ」:毎日触れずにはいられない、自分の生活の一部になる。

「苦手なことをやらなきゃ」と思っているうちは、まだ「知る」段階。

でも、自分なりの楽しみ方を見つけると、急に成長のスピードが変わってきます。

まとめ

知るだけでは足りない。好むことも大切。

だが、心から楽しめる人には敵わない。

そんな孔子の言葉は、どんな時代、どんな人にも響く普遍的な真理です。

もし今、何かを始めようとしているなら、「楽しむ」工夫をしてみてください。

きっと、世界の見え方が変わるはずです。