028【工、その事をよくせんと欲すれば、必ずその器を利くす】(こう、そのことをよくせんとほっすれば、かならずそのきをとくす)

こんにちは!

今回は、論語の中でも「準備の大切さ」を教えてくれる名言をご紹介します。

突然ですが、あなたは何か新しいことに挑戦するとき、準備をどれくらいしますか?

たとえば料理、旅行、仕事、勉強……

すべて「事前の準備」が結果を大きく左右する場面って多いですよね。

そんな“準備の力”を一言で表してくれているのが、今回ご紹介する論語の一節です。

論語のことば

「工欲善其事、必先利其器(こう、そのことをよくせんとほっすれば、かならずそのきをとくす)」

意味は、

「職人がよい仕事をしようと思ったら、まず道具をしっかりと整える必要がある」

というもの。

ここでいう「工」は職人、「器」は道具のことです。

つまり、何かを上手くやろうと思うなら、まずは道具(=準備)を整えることが大事、という教えですね。

たとえ話

ある日、小学生のケンタくんが夏休みの自由研究で「昆虫の観察」をすることにしました。

ところが当日、虫かごはボロボロ、虫取り網は破れてる、ノートも持っていない――。

「まぁなんとかなるだろう!」

と出かけたものの、虫は逃げるし、観察メモも取れず、結局なにも残らない一日になってしまいました。

次の日、ケンタくんは準備をしっかりして再チャレンジ!

丈夫な虫かご、新しい虫取り網、観察ノートも持って行き、無事に研究を終えることができました。

そう、「うまくやりたいなら、まずは道具を整える」って、本当に大事なんです。

この言葉の出典

この言葉は、中国の思想家・孔子の教えを弟子たちがまとめた『論語』の中の一節です。

具体的には「衛霊公えいれいこう」という章に出てきます。

孔子はただの知識人ではなく、人生の知恵や生き方を重視した教育者でもありました。

この言葉も、弟子たちに「ただ努力するのではなく、準備を怠らず効率よく動けるようにしなさい」と伝えるために使ったとされています。

現代でいうと、仕事前の段取りや、勉強の計画、スキルアップのための道具選びなど、あらゆる場面で活かせる教えです。

現代での活かし方

  • プレゼンを成功させたいなら、資料づくりとリハーサルを怠らない
  • 料理をおいしく作りたいなら、包丁を研いで材料をそろえる
  • 勉強を効率よくしたいなら、まずは使いやすいノートやアプリを用意する

どんな場面でも、「準備=未来への投資」です。

まとめ

工、その事をよくせんと欲すれば、必ずその器を利くす

この言葉は、何かを上手くやりたいなら、その前にしっかりと準備を整えるべきだ、という非常にシンプルかつ普遍的な真理です。

行動を始める前に少し立ち止まって、「道具はそろってるか?」「準備は万全か?」と確認してみましょう。

それだけで、結果がグッと変わってくるかもしれません。