
こんにちは!
今回は、「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦う」という『孫子』の言葉について、たとえ話を交えながら紹介していきます。
この言葉、少し難しく感じますよね。
簡単に言うと、
「勝てる準備をしてから、行動する」
という意味です。
仕事でも、人間関係でも、新しいことを始めるときでも、いきなり動くより、先に「どうすればうまくいくか」を考えておく。
そんな大切な考え方を教えてくれる言葉です。
ことばの意味
「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦う」は、
「勝つ軍は、まず勝てる状態を作ってから戦いを始める」
という意味です。
『孫子』では、このあとに、
「敗兵は先ず戦いて、而る後に勝ちを求む」
と続きます。
こちらは、
「負ける軍は、先に戦いを始めて、そのあとで勝とうとする」
という意味です。
つまり、孫子が言っているのは、
「とにかく行動しよう」
ではありません。
むしろ、
「準備ができていないのに、勢いだけで始めない」
ということなんですね。
たとえば仕事で新しいことを始めるとき。
何も考えずに始めるのではなく、
「何をすればいいのか」
「どこまで準備すればいいのか」
「失敗するとしたら、どこなのか」
を先に考えておく。
そうすれば、実際に動き出したときの失敗を減らせます。
人生でも同じです。
何でも真正面から戦う必要はありません。
戦う前に、戦わなくても済む方法を考える。
これも立派な戦略なんです。
たとえ話
ここで、二人の会社員を想像してみましょう。
AさんとBさんは、会社で新しい仕事を任されました。
二人とも、初めて経験する仕事です。
Aさんは、
「とりあえずやってみよう!」
と、すぐに仕事を始めました。
分からないことが出てくるたびに調べ、問題が起きるたびに対応します。
最初は順調でした。
ところが、途中で大きな問題が見つかりました。
最初に確認しておけば避けられた問題です。
Aさんは、そこから予定を変更することになり、対応に追われました。
一方、Bさんはすぐには始めませんでした。
まず、
「この仕事で一番大事なことは何か?」
「どこで失敗しそうか?」
「先に確認しておくことはないか?」
と考えました。
そして、必要な情報を集め、手順を整理してから仕事を始めました。
すると、途中でいくつか問題は起きましたが、大きなトラブルにはなりませんでした。
結果として、Bさんのほうが少ない負担で仕事を終えることができました。
この二人の違いは、能力ではありません。
戦う前に、勝ちやすい状態を作ったかどうか。
ここが大きな違いでした。
この話のように、
「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦う」
とは、行動する前に準備を整え、できるだけ勝ちやすい状況を作っておくことの大切さを教えてくれる言葉なんです。
ことばの起源
この言葉は、古代中国の兵法書である『孫子』に出てきます。
『孫子』は、戦争でどう勝つかをまとめた兵法書です。
その中の「形篇」に、
「勝兵先勝而後求戰、敗兵先戰而後求勝」
とあります。
書き下すと、
「勝兵は先ず勝ちて、而る後に戦いを求む。敗兵は先ず戦いて、而る後に勝ちを求む」
となります。
ここでいう「勝つ」とは、戦う前から実際に勝負をして勝つ、という意味ではありません。
「勝てる条件を先に整える」
ということです。
『孫子』では、その前の部分でも「不敗の地に立ち、敵の敗を失わない」という考え方が述べられています。つまり、自分が負けにくい状態を作り、相手に隙ができたときに動くという考え方です。
これは、今の生活にもかなり使えます。
仕事なら、準備をしてから始める。
勉強なら、続けられる環境を先に作る。
人間関係なら、無理に相手とぶつからない。
何かに挑戦するなら、いきなり大きく始めず、まずは小さく試してみる。
こう考えると、2500年ほど前の兵法書が、今の生活にも通じる理由が分かります。
おすすめ書籍
『仕事は楽しいかね?[新版]』(著:デイル・ドーテン)
仕事や人生で、いきなり正解を見つけようとすると、なかなか前に進めないことがあります。
本書では、「試してみることに失敗はない」という考え方を軸に、今より少し良い方法を試し続ける大切さを教えてくれます。
「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦う」という言葉にも通じるように、何も考えずに動くのではなく、考えて準備し、試しながら、自分に合った方法を見つけていく。
そんな生き方のヒントをもらえる一冊です。
まとめ
今回は、
「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦う」
という言葉を紹介しました。
意味は、
「勝てる準備をしてから、行動する」
ということです。
何かを始めるとき、すぐに動くことが正解とは限りません。
先に情報を集める。
失敗しそうなところを考える。
小さく試してみる。
無理なら、別の方法を探す。
こうして自分が無理なく進められる状況を作ってから動く。
それだけでも、余計な失敗や疲れを減らせます。
人生では、すべての勝負に勝つ必要はありません。
「勝てる形を作ってから動く」
という考え方を、これからの生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
それでは、また次回👋