「こんな小さなこと、意味があるのかな?」
「毎日続けても、大して変わらない気がする…」
そんなふうに、日々の努力が“ムダ”に思えてしまうとき、ふと立ち止まって考えてほしい言葉があります。
それが今回の四字熟語、「積水成淵(せきすいせいえん)」。
これは、一滴一滴の水が、やがて深い淵をつくるように、わずかな努力も積もれば大きな成果になるという、心強い教えなのです。
◆ たとえ話:1日10分の“つみあげ英語”
ユウキは英語が苦手。単語も覚えられないし、リスニングもチンプンカンプン。
でもある日、「とりあえず1日10分だけ英語に触れる」と決めて、勉強アプリを始めました。
朝起きてすぐ、寝る前、通勤中…
1日10分だけ。たったそれだけ。
でも、1か月、3か月、半年…と続けるうちに、英語の音が自然に聞こえてくるようになり、気づけば英検準2級にも合格!
ユウキの努力はまさに――**「積水成淵」**だったのです。
◆ 意味と読み方
**積水成淵(せきすいせいえん)**とは、
「少しずつたまった水がやがて深い淵(ふち)となる」という意味です。
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「積水」=水が少しずつたまっていくこと
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「成淵」=それが深い淵(=池や川の深い場所)になること
つまり、「小さなことでも続けていけば、やがて大きな成果につながる」という教訓を示す四字熟語です。
◆ 起源・由来
この言葉の由来は、中国の古典『荀子(じゅんし)』にあります。
思想家・荀子はこう言いました。
「水、一滴を積もらせて淵を成す。善を積めば人柄となり、悪を積めば災いとなる。」
つまり、小さな善行を重ねれば立派な人格が生まれ、悪事を積めば大きな不幸を招く、と。
「積水成淵」はこの教えから生まれた、**“小さな積み重ねの大切さ”**を説く言葉なのです。
◆ 現代での使い方
現代では、ポジティブな意味でよく使われます。
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「毎日ブログを1記事書き続けて、今では積水成淵のような情報サイトに育った」
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「筋トレを3年続けて、体がまるで別人に。積水成淵だな」
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「少しずつ信用を積み上げることが、積水成淵のように信頼につながる」
個人の努力から、企業のブランドづくり、信用構築、学習まで――幅広い場面で使える表現です。
◆ まとめ
**「積水成淵」**とは、
「すぐには結果が出なくても、続けることでやがて大きな成果につながる」という、継続の力を教えてくれる言葉です。
たとえ1日5分でも、10分でも、
昨日の自分より1ミリでも進んでいれば、それは前進。
コツコツと、焦らずに。
一滴の水も、集まれば深い淵となるのです。