035【鶏口となるも牛後となるなかれ】小さなリーダーになるか、大きな集団の末端で終わるか

こんにちは♪

今回は中国の古いことわざから、現代にも通じる大切な生き方のヒントを紹介します。

みなさんは、自分がいる「場所」や「ポジション」について、こんな風に感じたことはありませんか?

「大きな会社に入ったけど、歯車の一つに過ぎない気がする……」
「小さなチームだけど、自分のアイデアが活かされて嬉しい!」

このような経験にぴったり当てはまるのが、今回ご紹介することわざ「鶏口けいこうとなるも牛後ぎゅうごとなるなかれ」です。

意味

このことわざは、

大きな組織の末端になるよりも、小さな組織でもリーダーや重要な役割を担った方がよい

という意味です。

鶏の口は小さいけれど、何かを食べる・判断する「先頭」。

牛のしっぽは大きな動物の一部だけれど、動きに影響を与えることはできません。

つまり、

規模よりも、自分がどれだけ活躍できるかが大事だよ

ということを教えてくれているんです。

起源

このことわざのルーツは、中国戦国時代の戦略家「張儀ちょうぎ」の言葉にあります。

当時、中国は多くの国に分かれていて、それぞれが勢力争いをしていました。

張儀は「」という大国に仕えていて、他国の王たちにこんなふうに説得して回ったのです。

「あなたの国は小さいが、秦に従えば大きな国の一部になれます。
つまり、大きな“牛”のしっぽとして生きることができるんです!」

それに対して、別の戦略家「蘇秦そしん」は反対に言いました。

「いやいや、たとえ小さな国でも、自分たちの意思を持ってトップに立った方がいい。
牛のしっぽになるより、鶏の口になるほうがずっとましだ!」

この考え方が「鶏口けいこうとなるも牛後ぎゅうごとなるなかれ」として広まりました。

たとえ話

ある日、アキラくんは大企業のカフェチェーン「ワールドコーヒー」に就職しました。

給料も安定していて、おしゃれな店舗。

でも……毎日同じマニュアル、上司の顔色を伺う日々。

一方で、大学時代の友人ミキは、地方の小さな町で個人カフェを開いていました。

メニュー作りも、接客も、宣伝も全部自分。

大変だけど、お客さんの「ありがとう」が直接届く環境です。

ある日、アキラくんはふと思いました。

「自分も、あの町で小さくても“自分らしい”カフェを開きたいかもしれない」

そして彼は思い出しました。

「鶏口となるも牛後となるなかれ」

――小さくても、自分の人生を自分で決める生き方がある。

まとめ

大きな組織で安定を取るか、小さくても自分の力を発揮するか――

正解は人それぞれです。

でももし今、

「なんだか自分が“しっぽ”みたいに感じるな……」
というモヤモヤがあるなら、一度立ち止まってこのことわざを思い出してみてください。

鶏口けいこうとなるも牛後ぎゅうごとなるなかれ」

自分がどこで輝けるか、それを考えるきっかけになりますよ。