067【鍋島直茂】知略で佐賀を切り拓いた男

はじめに

戦国から江戸へ。

大きな時代のうねりの中で、力強く生き抜いた武将がいます。

その名は、鍋島直茂。

知恵と忠誠を武器に、歴史に名を残しました。

龍造寺家を支える若武者

直茂は、肥前(現在の佐賀県)に生まれました。

若くして龍造寺隆信に仕え、その優れた才能を早くから発揮します。

常に冷静沈着。

戦場でも政務でも、信頼を集めました。

龍造寺家滅亡の危機と立ち上がり

1584年、主君・隆信が戦死。

龍造寺家は一気に弱体化します。

この大ピンチに、直茂は立ち上がりました。

残された家臣たちをまとめ、見事に家を守り抜きます。

事実上、鍋島家による新たな時代が始まりました。

豊臣政権下でもしたたかに

直茂は、豊臣秀吉にも巧みに仕えます。

朝鮮出兵にも出陣し、九州での地位を確かなものにしました。

そして、秀吉亡き後は、徳川家康にも接近。

生き残りをかけた見事な立ち回りを見せました。

佐賀藩初代へ

やがて徳川の時代となり、直茂の息子・勝茂が正式に佐賀藩主となります。

しかし、その基盤を作ったのは直茂でした。

自らは表舞台から退きながらも、しっかりと家を支え続けました。

1618年、静かにこの世を去ります。

おわりに:知恵と忠誠で切り拓いた未来

鍋島直茂は、大きな力を持ちながらも慎ましく生きました。

忠義を尽くし、家を守り、未来を切り拓いた人物です。

表に出すぎない奥ゆかしさ。

その中に秘められた強さが、今も人々の心を打ちます。