
「哲学者」と聞くと難しいことばっかり言ってる人、ってイメージありませんか?
でも、哲学って本当は、
なんで生きてるの?
どうするのが正しいの?
人はどうあるべき?
みたいな、人間なら一度は考えることなんです。
そんなテーマに人生全部つぎこんだ人が、今日の主人公 プラトン です。
名前は聞いたことあるかもしれませんね。
教科書にも出てくる有名人です。
プラトンの生まれと人生
プラトンは紀元前427年ごろ、古代ギリシャのアテネに生まれました。
家はお金持ちで、政治家や偉い人がたくさんいる家系でした。
なので、プラトンも最初は政治家をめざしていました。
ですが、ある人物との出会いが彼の人生を変えます。
それが、哲学者 ソクラテス です。
ソクラテスは、「正しい生き方とは?」「本当の知とは?」など、いろんな質問をしながら人と話す人でした。
答えを押しつけるのではなく、相手に考えさせるスタイルです。
プラトンはこのやり方にとても感動し、「政治より哲学だ!」と方向転換してしまいます。
まさに人生のターニングポイントですね。
しかしその後、悲しい出来事が起きます。
プラトンが尊敬していたソクラテスが、裁判で死刑になってしまったのです。
これでプラトンはアテネの政治に大きく失望し、国を出て旅に出ます。
旅先でさまざまな知識や文化に触れた後、故郷にもどり、アカデメイアという学校を作りました。
これは世界で最初の「大学」に近い存在と言われています。
プラトンはそこで教えたり本を書いたりしながら、一生哲学に向き合いました。
プラトンが考えたこと
中でも有名な考え方を3つ紹介します。
① イデア論
ちょっと難しそうに見える言葉ですが、意味はシンプルです。
この世界にあるものは「本物」じゃなく、「理想の形」のマネだ。
たとえば、「まるい円」を描いても完璧にはならないですよね。
でも、心の中には「完璧な円のイメージ」があります。
この“完璧な形”こそがプラトンの言う イデア です。
つまり、
目に見えるものより、目に見えない考え方や本質が大事
ということです。
② 対話形式の本を書く
プラトンの本は、ふつうの文章ではありません。
ソクラテスが人と会話しながら考えていく「対話形式」です。
今で言うと、インタビュー風、もしくは漫才の話の流れに似てます。
読む人が一緒に考えられるように作られているんです。
③ 理想の国家とは何か
プラトンは政治に失望したものの、「じゃあ良い国って何?」と考え続けました。
その答えのひとつが、
その人に合った役割を果たして、みんなで支え合う社会
という考え方です。
戦うのに向いている人、考えるのが得意な人、働くことが好きな人…
それぞれの力を使えば国はうまく動く、と考えました。
プラトンの影響
プラトンの考えは、死んだあともずっと影響を与え続けています。
ゆたかな議論文化を作った
哲学・政治・心理学・教育の土台を作った
彼の弟子アリストテレスがさらに世界へ広げた
西洋の考え方のベースになった
つまりプラトンは、
「考える文化を作った人」
と言ってもいいでしょう。
まとめ:プラトンから学べること
プラトンの人生を通して大事なポイントはひとつ。
すぐ答えを求めず、まずは考えること。
現代はネットで答えがすぐ出ます。
だけど、それでは自分で考える力が育ちません。
プラトンの哲学は、
「なんで?」「どうして?」と問い続ける姿勢そのものです。
わからないことを恥ずかしいと思わず、疑問に向き合う勇気を持つこと——。
それは、今の私たちにも役立つ生き方です。

