081【仕えて道に遇えば、亦た仕えざる可からず】 (つかえてみちにあえば、またつかえざるべからず)

仕事でも、趣味でも、人付き合いでも。

「あ、この人と一緒にいると正しい方向に進めそう」

「信じられる」

そう思える相手に出会えることは、そう多くありません。

でも、もしその“道を知る人”に出会ったなら?

孔子は、そのときこそ“迷わず仕えるべきだ”と語ります。

論語の一節

子曰しいわく、「つかえてみちえば、つかえざるからず。」

現代語訳すると、

「もし仕えた相手が“道(正しい生き方・理想)”をわきまえている人なら、再び仕えないわけにはいかない」

という意味になります。

ここでの「仕える」は、単なる上下関係ではなく、信頼して従い、共に働くこと

「道に遇う」とは、人として正しい価値観や生き方に出会うことを指します。

たとえ話

ある若手社員Cさんには、かつて憧れの上司がいました。

その上司Dさんは、仕事に対して誠実で、人を育てる力もあり、決して自分だけが得をするような動きはしませんでした。

Cさんはその姿勢に惚れ込み、日々学びながら成長していきました。

やがてDさんは別部署へ異動し、Cさんも独り立ち。

数年後、Cさんは別の会社で偶然、再びDさんと仕事をする機会に恵まれました。

「もう一度、この人と働きたい」

そう思ったCさんは迷わずDさんのプロジェクトチームに加わります。

孔子の言葉に照らすなら、

「一度“道を持つ人”に出会ったなら、再び仕えぬわけにはいかない」――

それほどまでに、“正しさと誠実さを持つ人”との出会いは尊いということです。

背景と教訓

孔子の理想とした「君子(人格者)」とは、

  • 私利私欲ではなく「道理」を重んじ
  • 礼節を守り
  • 他者のために尽くす人物です。

そんな人物に出会えることはまれですが、

もし出会ったなら、もう一度でも迷わず仕えるべきだ――

孔子はそれを「当然の選択」と語ったのです。

これは単に「誰かに従え」という教えではなく、

“本当に信じられる価値に出会ったとき、迷わず選びとれ”

という、とても能動的で力強いメッセージです。

まとめ

  • “道”を知る人物に出会うことは、人生の転機になりうる
  • そんな人と再会したら、ためらわずにもう一度仕えよ
  • それは“再び学び、共に歩む”チャンス

「誰についていくか」は、「どんな自分になりたいか」とほぼ同じです。

もしあなたの心を動かす“道を持つ人”に出会ったなら、

その縁を信じて、もう一歩近づいてみるのもいいかもしれません。