
皆さんは、仕事を辞めるときや引っ越しをするとき、どんなことを心がけていますか?
慌ただしく去った後に、ゴミが散乱していたり、トラブルを置き去りにしていたりすると、残された人は困ってしまいますよね。
そんなときに思い出したいのが、今日ご紹介する 「立つ鳥跡を濁さず」 ということわざです。
この言葉には、どんな意味や由来があるのでしょうか?
「立つ鳥跡を濁さず」の意味
「立つ鳥跡を濁さず」とは、去る者は、後に迷惑をかけないように、きれいに片づけてから立ち去るべき という意味のことわざです。
水辺にいた鳥が飛び立つとき、水を濁さないように静かに去る姿から生まれた言葉です。
これは、単なる物理的な「掃除」の話ではなく、職場や人間関係でも同じことが言えます。
例えば、退職するときに仕事の引き継ぎを丁寧に行ったり、人間関係でトラブルを残さないように配慮したりすることも、この精神につながります。
起源・由来
このことわざは、日本の古い自然観から生まれたと考えられています。
特に、水辺に住む鳥の様子を観察していた昔の人々が、「鳥は飛び立つとき、水を濁さずに去る」という点に気づき、それを「人間の行動」になぞらえたのが由来とされています。
書物としては、江戸時代の随筆集『譚海』に登場し、その頃にはすでに一般的に使われていたようです。
たとえ話
ある町に、太郎という青年がいました。
彼はアパートで5年間暮らしましたが、ついに新しい仕事のために引っ越すことに。
しかし、彼の部屋には、不要になった家具やゴミが山積み…。
「どうせ引っ越すんだから、後は大家さんに任せればいいや」
そう思った太郎でしたが、ふと隣の部屋の佐藤さんを思い出しました。
佐藤さんは数ヶ月前に引っ越しましたが、去る前に部屋をピカピカに掃除し、管理人さんにも丁寧に挨拶をしていきました。
「佐藤さん、すごく感じよかったな… 俺もきれいにしてから出ようかな」
そう決めた太郎は、不要品をリサイクルし、部屋を掃除してから出発。
管理人さんにも「お世話になりました」と一言伝えました。
すると後日、管理人さんから連絡が。
「太郎くん、きれいにしてくれてありがとう! もしまた戻ってくることがあったら、ぜひここに住んでね」
こうして、太郎は新しい土地でも気持ちよくスタートを切ることができたのでした。
まとめ
「立つ鳥跡を濁さず」は、去るときに後をきれいにすることで、気持ちよく次のステージへ進むことができる、という教えです。
仕事でも引っ越しでも、人間関係でも、「きれいに終わらせる」ことは、次のチャンスにもつながります。
次に何かを終えるとき、このことわざを思い出して、すっきりと旅立ちましょう!