
こんにちは!
今日は、老子の『道徳経』の中から、物事の進め方について考えさせられる言葉を紹介します。
今回取り上げるのは――
「道は常に無為にして、為さざるは無し」
という言葉です。
何もしないのに、すべてが成し遂げられる。
そう聞くと、少し不思議に感じますよね。
でも、これは単に何もしなくていいという意味ではありません。
今回は、たとえ話を交えながら、この言葉が伝えている大切な考え方を紹介します。
ことばの意味
この言葉は、自然の流れに逆らわず、余計なことをしなければ、物事は本来あるべき方向へ進んでいくという意味です。
「無為」とは、何もしないことではなく、無理に物事を動かそうとしたり、自分の考えを押し通したりせず、自然の流れに沿って行動することです。
そして「為さざるは無し」とは、道は何も無理に行わないのに、あらゆることを成し遂げる、という意味です。
つまり、何でも自分の思いどおりにしようとするのではなく、物事の自然な流れを大切にしましょう、という教えなんですね。
たとえば、仕事でも家庭でも、相手を自分の考えどおりに動かそうとすると、かえってうまくいかないことがあります。
そんなときは、少し力を抜いて、相手の考えや状況を受け入れてみる。
無理に変えようとしなくても、時間がたてば自然と解決に向かうこともあります。
頑張ることは大切ですが、頑張りすぎないことも大切なんですね。
たとえ話
あるところに、二人の家庭菜園好きのお父さんがいました。
二人とも、同じ日にトマトの苗を植えました。
一人目のお父さんは、立派なトマトを早く育てようと、毎日たくさん水を与えました。
肥料も多めにまき、少しでも成長が遅いと、あれこれ手を加えます。
ところが、トマトの苗は元気がなくなり、なかなか育ちません。
一方、もう一人のお父さんは、土の状態や天気を見ながら、必要な分だけ水を与えました。
日当たりにも気を配りましたが、苗を無理に大きくしようとはしません。
その結果、こちらのトマトは少しずつ成長し、やがて立派な実をつけました。
二人とも、トマトを大切に育てようという気持ちは同じです。
しかし、一人は自分の力で何とかしようとし、もう一人はトマトが本来持っている成長する力を大切にしました。
この話のように、何でも手を加えればよいというわけではありません。
植物には植物の育つ力があるように、人や物事にも、それぞれ自然な流れがあります。
大切なのは、その流れを無理に変えようとせず、必要なときに必要なことをすることです。
老子の「道は常に無為にして、為さざるは無し」は、まさにこのことを教えてくれているんですね。
ことばの起源
この言葉は、中国の思想家・老子の教えをまとめた『老子』、別名『道徳経』に登場します。
『道徳経』は、約2500年前の中国で生まれたとされる古典です。
老子という人物については、実在した時期や生涯に不明な点も多く、現在の形にまとまった時期についても諸説あります。
この言葉は、『道徳経』の第37章にある、
「道常無為而無不為」
という一節がもとになっています。
ここでいう「道」とは、単なる道路のことではありません。
この世界のあらゆるものを生み出し、動かしている自然の大きな働きのことです。
老子は、その「道」は余計なことをせず、自然のままに働いているのに、結果としてあらゆるものを成し遂げていると考えました。
この考え方は「無為自然」と呼ばれ、後の中国思想や日本の文化にも影響を与えてきました。
日本でも『老子』は漢籍として読み継がれ、時代を超えて多くの人に親しまれてきました。
現代の私たちにとっても、頑張りすぎず、自然体で生きるためのヒントになる言葉ですね。
おすすめ書籍
『「何もしない」ほうがうまくいく 考えすぎる脳を休ませる習慣』(著:BAZZI)
頑張っているのに物事がうまく進まない。そんなときこそ、いったん立ち止まり、余計なことを手放す大切さを教えてくれる一冊です。
考えすぎや頑張りすぎを見直し、心に余裕を持って過ごすためのヒントが紹介されています。
今回の「無理に動かそうとせず、自然な流れを大切にする」という教えにも通じる内容です。
肩の力を抜いて生きたい方におすすめです。
まとめ
今回は、老子の言葉「道は常に無為にして、為さざるは無し」を紹介しました。
この言葉が教えてくれるのは、何でも自分の力で何とかしようとせず、自然の流れを大切にすることです。
私たちは、つい頑張りすぎたり、思いどおりに物事を進めようとしたりします。
でも、何でも自分でコントロールする必要はありません。
ときには一歩引いて、相手を信じて任せてみる。
焦らず、無理をせず、自然な流れに身を任せてみる。
それだけで、今までうまくいかなかったことが、意外とスムーズに進むかもしれません。
頑張ることも大切ですが、ときには余計な力を抜いてみる。
そんな余裕を持つことも、上手に生きるための知恵なのかもしれませんね。
それでは、また次回👋