参考書を読んで、動画を見て、メモを取って――
「一生懸命勉強してるのに、いまいち身についてる気がしない…」
そんなとき、ふと心に刺さるのがこの言葉です。
「学びて思わざれば則ち罔し(まなびておもわざればすなわちくらし)」
古代中国の偉大な思想家・孔子が、学ぶことの本当の意味を教えてくれた言葉です。
📝意味と読み下し
まず、この言葉を読み下してみましょう。
学びて思わざれば則ち罔(くら)し
→ 学ぶだけで考えなければ、かえって道に迷ってしまう。
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「学びて」=学問や知識を得ること
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「思わざれば」=自分の頭で考えなければ
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「則ち罔し」=道に迷う、ぼんやりする、本質が見えない
つまりこれは、
「ただ知識を詰め込むだけでは、かえって何も見えてこない」
という警告でもあるのです。
📖たとえ話:アヤカさんの資格試験
資格取得を目指して勉強中のアヤカさんは、毎日何時間もテキストを読み込み、過去問をこなしていました。
けれど、模擬試験になると応用問題に対応できず、結果は思わしくありません。
そこで、「ただ覚えるだけじゃダメだ」と気づき、“なぜこうなるのか?”を自分なりに考える時間を増やすことに。
すると、今までただの「暗記」だった知識が、“つながり”となって理解に変わり、得点もぐんとアップ!
「学んで、そして考える。はじめて本当の力になるんだなって実感しました」
と語るアヤカさんの言葉には、孔子の教えそのものが宿っていました。
📚出典・背景
この言葉は、中国の古典『論語』の中の「為政(いせい)篇」に登場します。
全文はこうです:
「子曰く、学びて思わざれば則ち罔し。思いて学ばざれば則ち殆し。」
――『論語・為政第二』
意味は、
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学ぶだけで考えなければ、本質を見失う(=罔)
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考えるだけで学ばなければ、独りよがりになって危険である(=殆)
つまり、「学び(インプット)」と「思考(アウトプット)」の両方が大切というバランスの教えなのです。
💡こんなときに使える!
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「勉強してるのに伸び悩んでる」と感じたとき
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誰かに「考える力も大事だよ」と伝えたいとき
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暗記中心の学習スタイルに違和感があるとき
✨まとめ
「学びて思わざれば則ち罔し」。
それは、ただ学ぶことだけでは足りない。自分の頭で“考える”ことで、知識は生きる力になるというメッセージです。
何かを学んだとき、ぜひこう問いかけてみてください。
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「これってどういう意味?」
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「他のこととどうつながる?」
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「自分に置き換えたらどうなる?」
学んだことを“自分の言葉”で整理するたび、世界は一段と広がっていきます。
🌱 学んで、考えて、そして活かす。
本当の理解は、「考える」ことから始まるのです。