039【功を奏す】努力が実った瞬間の物語

こんにちは、ことわざ探検隊です!

日々の生活の中でふと耳にするけれど、意味をちゃんと理解していない

…そんなことわざ、ありませんか?

今日は「こうそう」という言葉について、やさしく、そしてちょっぴり心に響くたとえ話を交えてご紹介します。

「功を奏す」とは?

まずは意味から確認してみましょう。

こうそうす」とは、努力や計画がうまくいって、よい結果を生むこと。
つまり、

「頑張ったかいがあった!」

「やってよかった!」

という状態を表すときに使われます。

たとえ話

ある夏、中学生のアキラは、町内の夏祭りのポスターコンテストに挑戦することにしました。

デジタルイラストも、ポスター制作も初めて。

でも「町のみんながワクワクするような絵を描きたい」と、毎日コツコツとパソコンに向かいました。

友達が遊ぶ中でも、構図を考えたり、配色を工夫したり…

気がつけば1ヶ月近く、放課後はずっとその作業に没頭していたのです。

いよいよ当日。

結果発表でアキラの名前が呼ばれ、なんと最優秀賞を受賞!

しかもそのポスターは、実際に町中に貼られて、たくさんの人の目に触れました。

そのとき、アキラは思ったのです。

「あのとき、あきらめずに頑張ってよかった。努力はちゃんと届いたんだ」と。

──まさに、この瞬間こそ「功を奏した」出来事だったのです。

「功を奏す」の起源

このことわざは、

「功(こう)=努力や成果」

「奏す(そうす)=申し上げる、表す」

という漢語の組み合わせがもとになっています。

もともとは中国の古典から来た表現で、「計画や行動が、意図通りに効果を発揮する」ことを意味していました。

日本では特に、戦国時代や政治の世界などで、作戦や政策がうまくいったときに「功を奏す」と表現するようになり、やがて日常でも使われるようになったのです。

こんなときに使おう!

  • 「あの営業戦略が功を奏して、売上が倍増したよ」
  • 「地道なトレーニングが功を奏して、大会で優勝できた!」
  • 「チーム全員の努力が功を奏して、プロジェクトが成功した」

などなど、“結果が出た”ときにピッタリの言葉です!

まとめ

「功を奏す」という言葉には、ただの「成功」ではなく、その裏にある努力・工夫・試行錯誤をたたえるニュアンスが込められています。

何かに一生懸命取り組んでいるとき、うまくいかなくて苦しいとき、この言葉を思い出してみてください。

きっとその努力は、いつか“功を奏す”日が来るはずです。