はじめに
戦国から江戸へ。
大きな時代のうねりの中で、力強く生き抜いた武将がいます。
その名は、鍋島直茂。
知恵と忠誠を武器に、歴史に名を残しました。
龍造寺家を支える若武者
直茂は、肥前(現在の佐賀県)に生まれました。
若くして龍造寺隆信に仕え、その優れた才能を早くから発揮します。
常に冷静沈着。
戦場でも政務でも、信頼を集めました。
龍造寺家滅亡の危機と立ち上がり
1584年、主君・隆信が戦死。
龍造寺家は一気に弱体化します。
この大ピンチに、直茂は立ち上がりました。
残された家臣たちをまとめ、見事に家を守り抜きます。
事実上、鍋島家による新たな時代が始まりました。
豊臣政権下でもしたたかに
直茂は、豊臣秀吉にも巧みに仕えます。
朝鮮出兵にも出陣し、九州での地位を確かなものにしました。
そして、秀吉亡き後は、徳川家康にも接近。
生き残りをかけた見事な立ち回りを見せました。
佐賀藩初代へ
やがて徳川の時代となり、直茂の息子・勝茂が正式に佐賀藩主となります。
しかし、その基盤を作ったのは直茂でした。
自らは表舞台から退きながらも、しっかりと家を支え続けました。
1618年、静かにこの世を去ります。
おわりに:知恵と忠誠で切り拓いた未来
鍋島直茂は、大きな力を持ちながらも慎ましく生きました。
忠義を尽くし、家を守り、未来を切り拓いた人物です。
表に出すぎない奥ゆかしさ。
その中に秘められた強さが、今も人々の心を打ちます。