
「たまたま考えていた人と、次の日にばったり会った」
こんな経験、ありませんか。
ただの偶然と言えば、それまでですが、
でも、「さすがにタイミング良すぎでは?」
と思った人もいるのではないでしょうか。
こうした出来事を、ただの偶然で片づけない人もいます。
それがシンクロ思考です。
シンクロ思考とは、偶然をただの偶然で終わらせない発想です。
この考え方は、最近できたものではありません。
実は、人類の歴史のかなり早い段階から語られてきました。
今回は、シンクロ思考がどんな流れで生まれ、広がったのかを紹介します。
古代の人は「偶然にも理由がある」と考えた
昔の人は、今よりずっと偶然を重く見ていました。
「たまたま起きた」とは考えなかったのです。
たとえば、急に雨が降ったとします。
現代なら天気の変化で終わります。
古代では、「何かの知らせでは」と考えました。
出来事と人の行動は、つながっていると考えたのです。
中国の思想では、自然と人の心は影響し合うとされました。
社会で起きる出来事も、心の状態と関係すると考えました。
だから、占いや暦が使われました。
偶然を読み取り、判断の材料にします。
ここでは、偶然は意味を持つ前提でした。
この考え方が、シンクロ思考の出発点になります。
ユングが「意味のある偶然」として説明した
時代が進み、20世紀になります。
ここで登場するのが心理学者のカール・ユングです。
ユングは、不思議な一致に注目しました。
考えていたことと、現実の出来事が重なる現象です。
たとえば、ある話題を考えていた直後に、その話を聞く。
理由はわかりませんが、印象に強く残ります。
ユングはこれを「シンクロニシティ」と呼びました。
意味のある偶然の一致、という考え方です。
原因と結果では説明できません。
それでも、心と出来事が同時に動くと考えました。
ここで、偶然は研究の対象になります。
シンクロ思考は、考え方として整理されました。
現代では「偶然の見方」として使われている
現代では、シンクロ思考という考え方は広く知られています。
心理学や文化の話題でも使われます。
ただ、科学的に証明された理論ではありません。
それでも、「見方」として残りました。
偶然そのものが大事なのではありません。
同じ出来事でも、人によって受け取り方が変わります。
気にする人もいれば、気にしない人もいます。
シンクロ思考では、「なぜ自分は気になったのか」に目を向けます。
「どう受け取るか」がポイントです。
偶然を完全に信じるわけでもありません。
無視もしません。
間に立つ捉え方として、今も使われているのです。
まとめ
ここまで見てきたように、シンクロ思考は突然生まれた考え方ではありません。
古代の人が偶然に意味を見出し、ユングがそれを言葉にまとめ、今まで語られてきました。
つまり、
「偶然が気になる」という感覚そのものが、昔から多くの人が感じてきた感覚だったのです。
シンクロ思考は、未来を当てるための考え方ではありません。
占いや運命論とも少し違います。
役に立つのは、迷っているときです。
同じ話題が何度も目に入る。
同じ人のことを繰り返し思い出す。
そんなとき、
「今、自分は何に引っかかっているのか」を整理する材料になります。
偶然を信じ切る必要はありません。
でも、完全に無視するのももったいないです。
「なぜ、これが気になったのだろう」
そう一度立ち止まって考えるだけでもいいのではないでしょうか。
それが、シンクロ思考の一番実用的な使い方かもしれません。
日常の中で、少しだけ意識してみませんか。