こんにちは、ことばの旅人ブログへようこそ!
人生には、時に嵐のような出来事がやってきます。
不安、困難、トラブル――そんな時、誰かと手を取り合って乗り越えた経験はありませんか?
今日ご紹介する四字熟語は、そんな「苦しいときこそ支え合う強い絆」を表す言葉です。
風雨同舟(ふううどうしゅう)
この言葉は、友人、仲間、あるいは家族との関係を見つめ直すヒントになるかもしれません。
◆「風雨同舟」の意味
「風雨」とは、風と雨――つまり嵐や困難を表します。
「同舟」とは、「同じ舟に乗る」こと。
この四字熟語は、
「嵐の中でも、同じ舟に乗って運命を共にする」
「困難な状況で、助け合いながら共に行動する」
という意味です。
一緒に苦労し、一緒に困難を乗り越えようとする連帯感や信頼関係が感じられる、力強い言葉ですね。
◆たとえ話:嵐の中の小舟
ある日、見知らぬ二人の旅人が小舟に乗って、川を渡ろうとしていました。
出航してしばらくすると、突然の嵐。
激しい風と雨、波にあおられて舟は揺れ、今にも転覆しそうです。
「このままじゃ沈むぞ!」
二人は必死に舟を漕ぎ、桶で水をかき出しながら、声をかけ合い励まし合いました。
嵐の夜が明けたころ、ようやく川の向こう岸が見えた時、二人はこう言いました。
「見ず知らずの相手だったけど、この嵐を一緒に乗り越えた今、もう“仲間”だな。」
それがまさに「風雨同舟」という言葉の本質なのです。
◆起源:『孫子』の一節から
この言葉の出典は、あの有名な兵法書『孫子』です。
「九地篇(きゅうちへん)」に、次のような一節があります。
「敵と風雨同舟せば、与に患いを同じくすべし」
これは、たとえ敵であっても、嵐の中で同じ舟に乗っている状況なら、互いに協力しなければならない――という教訓です。
つまり、立場の違いや過去の関係に関係なく、今ここで支え合うことが大切だという深い意味が込められています。
◆現代での使い方
現代では、以下のような場面で使われます。
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同じプロジェクトや仕事で苦労を分かち合う仲間
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被災地などで助け合う人々の絆
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困難な状況を共に乗り越えた関係性
たとえば:
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「このチームとは、何度も修羅場を乗り越えてきた。まさに風雨同舟の仲だ」
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「震災の避難所で出会った人たちと風雨同舟のような絆が生まれた」
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「苦しい時代に共に頑張ったあの頃を、風雨同舟の精神で忘れない」
◆まとめ
**風雨同舟(ふううどうしゅう)**は、
「困難の中でも、共に助け合い、同じ運命を生きる仲間の絆」
を表す、心に沁みる四字熟語です。
もし今、あなたのそばに「同じ舟に乗っている人」がいるなら、
その存在は、きっと何にも代えがたい宝物になるはずです。
次回も、あなたの心に残る言葉をご紹介します。
それではまた!⛵🌧️✨