065【百発百中】狙った獲物は逃さない、その集中力と思考力

スポーツの世界で、ゲームの世界で、ビジネスの世界で――

「どうしてあの人はいつも的確なんだろう?」と驚かされること、ありませんか?

それは、ただの運じゃない。

日々の努力と、狙いを外さない思考、そして集中力のたまもの。

そんな「的を外さない力」を表すのが、今回の四字熟語「百発百中」です。

たとえ話

中学2年生のミユは、全国大会を目指してアーチェリーに打ち込む毎日。

でも、ある時期、どうしても点数が伸びず、先生に言われたのはこんな一言。

「ただ撃つだけじゃダメ。当てる理由があるか、考えなさい

それからミユは、「なぜ外れるのか?」「風はどうか?」「体重のかけ方は?」と、一つひとつの動作に理由を持つようになりました。

数ヶ月後、彼女の記録は大きく更新。

予選で10本中10本を的に命中させ、「百発百中のミユ」と呼ばれるまでに――。

この四字熟語は、“ただのラッキー”じゃない、「的確さの裏にある技術と思考」を象徴しているのです。

意味と読み方

百発百中とは、

放った矢がすべて的に命中すること。転じて、行うことがことごとく成功すること」を意味します。

  • 「百発」=百回発射する
  • 「百中」=百回とも命中する

つまり、「失敗しない・確実に成功する」という意味で、賞賛の言葉としてよく使われます。

起源と由来

この言葉の起源は、中国の兵法書弓術の記録にあります。

古代中国では、弓術は武士や戦術家にとって極めて重要な技術でした。

その中で、「百発百中」を成す者は、“天才の域”として称えられていたのです。

また、故事としては『韓非子かんぴし』という古典にも類似の表現が登場します。

その中で、技の極致として「一度も外さない」弓の名手が描かれ、的を射ることを極めた人物像として語られました。

このように、「百発百中」は古来から鍛錬と精度の結晶として尊ばれていたのです。

日常での使い方

現代でもこの言葉は、以下のような場面で使われます:

  • 「あの人のプレゼンは百発百中。いつもクライアントを納得させる」
  • 「この攻略法を使えば百発百中でレアアイテムが手に入る」
  • 「百発百中の営業トークを身につけたい」

実際に“100%成功”していなくても、「精度が高く、失敗が少ない」というニュアンスで使われることも多いです。

まとめ

百発百中とは、ただの運じゃなく、

「何度やっても成功するだけの根拠ある努力と集中力」のたまものです。

狙った目標を逃さない

――それは決して一朝一夕で身につくものではありません。

でも、練習や経験を積み重ねていけば、あなたの矢も的を外さなくなる日がきっと来ます。

次の一手を放つその瞬間に、「百発百中」という言葉を思い出してみてくださいね。