037【万里一空】努力の先にある“空”を目指して

こんにちは!

今回はちょっと渋めの四字熟語、「万里一空ばんりいっくう」をご紹介します。

一見すると何かの風景のような言葉ですが、実はこの言葉、「目標を見失わず、たゆまず努力を続けること」を表す、奥深い意味を持っているんです。

たとえば、毎日コツコツ勉強しているけど、なかなか結果が出ないと感じるとき。

ダイエットを続けているけど、体重計の数字が変わらないとき。

そんなときこそ、この「万里一空」の考え方が、心の支えになるかもしれません。

「万里一空」の意味をたとえ話で

あるところに、一羽の鷹がいました。

この鷹は、生まれた時から「誰よりも高く、遠くまで飛べるようになりたい」と思っていました。

でも、飛ぶ練習は大変です。

翼は痛むし、風にあおられて墜落することもしばしば。

まわりの鳥たちは

「もうあきらめろよ」

「そこまで頑張らなくてもいいじゃないか」

と言います。

けれど鷹は、「万里(=どこまでも続くような遠い距離)」の先にある、たった一つの「空(=ゴール、理想の姿)」を信じて、飛び続けました。

毎日毎日、ひとつずつ空を越えて、ようやくたどり着いたその高み。

そこには、誰にも見えなかった世界が広がっていたのです。

まさに、「万里一空」。

どこまでも長い道のりを、ひとつの目標に向かってブレずに進む姿を表した言葉です。

「万里一空」の起源

この言葉は、なんと戦国時代の名将・宮本武蔵が残した言葉…

ではなく、実は日露戦争の英雄・大空位の軍人、山本五十六が座右の銘としていたことで有名になりました。

でももっと古くをたどると、中国唐代の詩人杜甫とほの詩にその由来があると言われています。

杜甫の詩に「万里一空、晩霞ばんか明らかなり」という一節があり、これは「果てしなく続く空に夕焼けが美しく映えている」という意味で使われていました。

つまり、どこまでも広がる景色の中で、ひとつの美しい空が輝く、その景色が、のちに“目標を見失わないこと”の象徴として使われるようになったわけです。

現代に活かす「万里一空」

この四字熟語は、受験勉強・スポーツ・仕事のプロジェクトなど、どんな場面にもあてはまります。

たとえば、将来プログラマーになりたい人が、毎日少しずつコードを書いて学んでいく。

結果がすぐに見えなくても、「一空」を信じて「万里」を進んでいるんです。

「今、目の前の努力に意味があるの?」と疑いたくなったときこそ、この言葉を思い出してみてください。

ゴールは遠く、そして高くても、そこに向かって歩き続けることこそが、「万里一空」の真の姿です。

まとめ

項目 内容
読み方 ばんりいっくう
意味 どんなに長い道のりでも、一つの目標に向かって努力し続けること
起源 唐代の詩人・杜甫の詩「万里一空 晩霞明」より
現代での使い方 ブレずに目標に向かって進む姿勢を表す時に使う

「万里一空」——その言葉は、たった今のあなたを、未来へと運ぶ力になるかもしれません。

それでは、また次回の四字熟語でお会いしましょう!