「なんで自分ばっかり…」
「ちゃんとやってくれないかな」
――つい、他人のせいにしたくなることってありますよね。
でも、そんなときこそ、自分を見直すチャンスかもしれません。
孔子が教えてくれるのは、“できる人”ほど、問題の原因を自分の中に探すということ。
そして、“未熟な人”ほど、うまくいかない理由を他人のせいにしてしまうという現実。
耳が痛いけど、心に刺さるこの名言。
その真意を、やさしく解説していきましょう。
■ 論語の一節
「君子は諸を己に求め、小人は諸を人に求む」
(衛霊公〈えいれいこう〉篇より)
■ 意味をやさしく言うと…
-
君子は諸(これ)を己に求め:立派な人(=君子)は、原因や解決策を自分自身に求める
-
小人は諸を人に求む:未熟な人(=小人)は、原因を他人に求めてしまう
つまりこの言葉は、
「君子(立派な人)は、自分に原因がないかを考える。小人(未熟な人)は、人のせいにする」
という意味になります。
■ たとえ話でイメージしてみよう
たとえば、チームで進めていたプロジェクトが失敗したとき――
Aさん:「上司の指示が悪かった」
Bさん:「部下がちゃんとやってくれなかった」
Cさん:「自分の進行管理が甘かったかもしれない。改善点を洗い出そう」
AさんやBさんは“人に求める”タイプ。
でも、Cさんは“自分に求める”タイプ。まさに“君子”の姿です。
もちろん、すべてを自分の責任にする必要はありません。
でも**「自分にできたことはあったか?」と考える習慣が、次の成長につながる**んですね。
■ 出典と背景
この言葉は『論語』の「衛霊公篇」に収録されています。
孔子は「君子」と「小人(しょうじん)」という対比をよく使いました。
-
君子(くんし)=志が高く、人として成長しようとする者
-
小人(しょうじん)=目先の利益や感情に流されやすい者
この章句では、問題の原因や解決をどこに求めるかという視点で、人の成熟度が分かれると説いています。
■ 現代にどう生かせる?
-
うまくいかないとき、自分に改善できる点を考えてみる
-
不満が出たとき、まず行動したかを振り返る
-
他人に期待する前に、自分の対応を見直す
こうした姿勢は、仕事でも人間関係でも信頼を生みます。
人を変えるより、自分を変える方がずっと早いのです。
■ まとめ
成長したいなら、まず自分に問いかけること。
「自分にできることは、まだあるか?」
誰かのせいにすれば、一時は気が楽になります。
でも、自分の中に原因を見つければ、未来は自分の手で変えられる。
孔子のこの教えは、今日からすぐに実践できる“生き方のヒント”なのです。