
〜信頼と誠実を大切にし、自分を高めてくれる友を選ぼう〜
「どんな人と付き合うかで、人生は変わる」
そんなことを実感したこと、ありませんか?
今回は、孔子が弟子に伝えた「友達選びの心得」をテーマにした言葉をご紹介します。
誠実さを軸に、成長につながる人間関係を築くことの大切さが語られています。
出典と意味
この言葉は『論語』の学而篇に登場します。
主忠信。毋友不如己者。
忠信を主とし、己に如かざる者を友とすること勿れ。
現代語訳にすると、
誠実さと信頼を行動の中心に据え、 自分より徳の低い人を友人としてはいけない。
という意味です。
- 「忠信」は、忠実さ(まごころ)と信義(信頼)を意味します。
- 「己に如かざる者」は、自分よりも徳や志が劣っている人のこと。
つまり、「誠実で信頼できることを大事にし、自分を堕落させるような友人とは距離をとりなさい」という教えです。
たとえ話
ある高校生がSNSで知り合った仲間とよく遊ぶようになります。
でも、その友達はルールを守らず、軽い気持ちで悪ノリや悪口投稿を繰り返すタイプ。
最初は楽しく感じても、次第に自分も似たような言動をするようになってしまい、気づけば信頼していた本当の友達を失ってしまいました。
このとき、その高校生はこう思いました。
「自分を良い方向に導いてくれる友達を選ぶって、大事なことなんだな」
背景
この言葉が語られたのは、孔子が若い弟子たちに人としての基本姿勢を説いた場面。
特に「友人選び」において、孔子は非常に慎重でした。
それは、人間関係がその人の人格や人生を大きく左右することを知っていたからです。
忠(まごころ)と信(信頼)を大切にすることで、人は誠実に生きることができ、また、自分よりも高い志を持つ人と付き合えば、自分も自然と引き上げられる。
だからこそ、「自分を堕落させるような人」とは距離を取るべきと教えたのです。
現代への応用
この言葉は、今の時代にもそのまま当てはまります。
- 「何となくつるんでるけど、愚痴や悪口ばかりの人間関係」
- 「向上心を持っていたのに、周囲に流されてあきらめてしまった」
- 「信頼していた友人が嘘を重ねていた」
そんな経験をした人は、きっとこの言葉の重みを感じるでしょう。
逆に、自分を刺激してくれる友人や、誠実でまっすぐな人とのつながりは、人生を大きく好転させてくれます。
まとめ
【忠信を主とし、己に如かざる者を友とすること勿れ】は、誠実を軸に、学び合える友を選べという孔子のメッセージです。
友達付き合いは「楽しい」だけではなく、「自分の未来を形づくるもの」。
だからこそ、どんな人と関わるかはとても重要です。
今の人間関係を見直してみると、思わぬ発見があるかもしれませんよ。

