045【知者は楽しみ、仁者は寿す】(ちしゃはたのしみ、じんしゃはいのちながし)

こんにちは!
今回は「どんな人が幸せに生きられるのか?」という、人生の根っこに関わる論語の言葉をご紹介します。

“学びを楽しむ人”と“人に優しくできる人”──
どちらも、人生を豊かに長く生きるカギだと孔子は語っています。


◆ 今回の言葉

「知者は楽しみ、仁者は寿す」
(ちしゃはたのしみ、じんしゃはいのちながし)

意味:
知恵のある人は人生を楽しみ、
思いやりのある人は長生きする。

「頭のいい人」は好奇心を持って人生を楽しみ、
「優しい人」は周囲に愛され、穏やかに長く生きていける、ということですね。


◆ たとえ話でイメージしてみよう

■ 二人の祖父の話

ある町に、二人の評判の良いおじいさんがいました。

一人は、毎日読書をしたり、新しいことに挑戦したりしている「知者」タイプ。
知らないことに出会うと、目を輝かせて「面白いなぁ」と笑いながら学んでいました。

もう一人は、誰にでも親切で、困っている人がいればすぐ手を差し伸べる「仁者」タイプ。
町のみんなに「優しいおじいちゃん」と慕われていました。

二人とも、90歳を過ぎても元気に散歩しながらおしゃべりしていて、
周囲からは「楽しみながら長生きしてるねえ」と言われていました。

知者は“心が若く”、仁者は“心が温かい”。
どちらも、人生を豊かにしてくれる宝物です。


◆ 出典と背景

この言葉は『論語』の「雍也(ようや)篇」に収録されています。
孔子は、知(知恵・理性)と仁(思いやり・徳)を人としての二大美徳と考えていました。

知者は物事の本質を見抜き、学ぶ喜びを知る人。
仁者は人を思いやり、信頼を集める人。

それぞれの生き方が、**「楽しみ」と「長寿」**につながっていくと孔子は説いたのです。


◆ 現代にどう活かせる?

  • 知者として: 新しいことに興味を持ち、学びを楽しむ習慣をつける

  • 仁者として: 周りへの感謝と優しさを忘れずに、人とのつながりを大事にする

たとえば──

  • 興味のある本を1冊読んでみる

  • 今日会った人にひと言「ありがとう」を伝える

  • 小さなことでも「面白い!」と感じてみる

そんな一つひとつが、「楽しむ力」と「長く生きる力」を育ててくれるのかもしれません。


◆ おわりに 〜豊かな人生は“知”と“仁”から〜

「知者は楽しみ、仁者は寿す」──
孔子が語ったこのシンプルな言葉には、人生を健やかに過ごすヒントが詰まっています。

楽しく学び、優しく生きる。
それがきっと、充実した毎日への一歩になるはずです。


次回も『論語』から、心に灯をともすような言葉をご紹介していきます。
ぜひあなたも、“知”と“仁”を日々に少しずつ取り入れてみてくださいね!