こんにちは!
今回は、人間関係において「尊敬」と「距離感」のバランスを考えさせられる、孔子の名言をご紹介します。
あなたは、誰かを尊敬するあまり、緊張しすぎてうまく接することができなかった経験、ありませんか?
あるいは、尊敬の気持ちはあっても、その人と関係を築くのが難しいと感じたことは?
孔子はそんなとき、こう言っています。
◆ 今回の言葉
「敬して失うこと勿れ」
(けいしてうしなうことなかれ)
意味:人を敬うことは大切だが、相手との関係を壊してしまってはいけない。
尊敬しつつも、関係を保てるように心がけなさい。
つまり、「敬意を持つこと」と「適切な距離感」はセットで考えるべきだ、という教えです。
◆ たとえ話でイメージしてみよう
■ 新入社員とベテラン課長の話
ある会社に、仕事ができて人望も厚いベテラン課長がいました。
新入社員の田中くんはその課長をとても尊敬していて、話しかけるのも恐れ多く感じていました。
毎日、挨拶はするけど、会話はほとんどゼロ。
課長の話をメモするだけで、自分の意見や質問もできずに、ただ「すごいなぁ」と眺めるだけ。
ある日、課長は田中くんに言いました。
「君、私のこと避けてる? もっと気楽に話してくれていいんだよ」
田中くんはハッとしました。
尊敬するあまり、逆に関係を遠ざけてしまっていたのです。
これはまさに「敬して失うこと勿れ」の教訓そのものですね。
◆ 出典と背景
この言葉は『論語』の「学而(がくじ)篇」に登場します。
孔子が、礼儀や人間関係の“ちょうどいい距離”について語った章のひとつです。
孔子は、人を敬うことを大切にしていましたが、
「敬いすぎてかえって付き合えなくなる」のは本末転倒だとも考えていました。
敬意があるからこそ、ちゃんと向き合って話す、意見を交わす。
そうした人と人との真の関係性を大事にしていたのです。
◆ 現代にどう活かせる?
現代社会でも、この言葉は様々な場面で役立ちます。
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目上の人に対して緊張して何も言えなくなる
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尊敬しているからこそ、必要な指摘や相談ができない
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憧れの存在を“遠すぎる存在”にしてしまう
こんなとき、「敬して失うこと勿れ」を思い出してみてください。
大切なのは、敬うことと、つながることを両立する姿勢です。
◆ おわりに 〜敬意と親しさのバランス〜
人間関係は、敬うだけでもダメ、なれなれしすぎてもダメ。
大事なのは「相手を大切にしながら、ちゃんと向き合うこと」。
孔子のこの言葉は、「尊敬」を一方通行にしないためのヒントをくれます。
尊敬は、“距離”ではなく“つながり”をつくるものである。
あなたが尊敬しているあの人とも、もっと自然に関われる日がくるかもしれませんね。
次回も、論語の中から人間関係や自己成長に役立つ言葉をご紹介します。
ぜひ、ブログのシリーズとしてチェックしてみてくださいね!