こんにちは!
今回は、「人の違いって、生まれつきじゃなくて、育ちや学びの違いなんだよ」という、ちょっと希望の湧く孔子の言葉をご紹介します。
たとえば、こんなふうに思ったことありませんか?
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「あの人は生まれつき頭がいいから…」
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「自分には才能がないから無理…」
そんなときに、この言葉がそっと背中を押してくれるかもしれません。
◆ 今回の言葉
「性相近し、習い相遠し」
(せいあいちかし、ならいあいとおし)
意味:人の性質(本性)は、生まれつきあまり差はない。
でも、学びや習慣の違いによって、あとから大きな差が生まれる。
つまり、「生まれより、育ちや学びが大事だよ」というメッセージです。
◆ たとえ話でイメージしてみよう
■ ある小さな村のふたりの子ども
AくんとBくんは、同じ日に同じ村で生まれた幼なじみ。
最初は走るのも、しゃべるのも、絵を描くのも、ほとんど変わらなかった二人。
でも、Aくんは親が毎晩本を読んでくれて、自然と読書が好きに。
Bくんは外で遊ぶのが好きで、体を動かすことが得意になった。
10年後──
Aくんは物知りで本を出版する夢を持ち、Bくんはサッカー選手を目指して努力中。
二人とも違う道だけど、どちらもキラキラしていた。
この違いは、“才能”ではなく“習い(学びや経験)”がつくったもの。
まさに孔子の言葉どおりですね。
◆ 出典と背景
この言葉は『論語』の「陽貨(ようか)篇」に出てきます。
孔子は人間の成長において、生まれよりも“学び”の重要性を説いています。
当時の中国でも「人の優劣は生まれで決まる」という考え方が強かったなか、
孔子ははっきりと「学べば変われる」と語ったのです。
これは今の時代にも通じる、希望に満ちた言葉ですよね。
◆ 現代にどう活かせる?
この言葉は、勉強だけでなく、仕事や人間関係、趣味、子育てにも応用できます。
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「どうせ自分にはできない」と諦めそうになったとき
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子どもや部下の成長を信じられなくなったとき
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「あの人と比べて…」と落ち込んでしまったとき
そんなときは、「性相近し、習い相遠し」を思い出してみてください。
可能性は誰の中にもあり、その差は“これからの積み重ね”で変えられるんです。
◆ おわりに 〜違いをつくるのは、日々の積み重ね〜
「才能」は、与えられるものじゃなくて、育てるもの。
「差」は、最初からあるんじゃなくて、後からできるもの。
だから、今の自分にがっかりする必要はありません。
大切なのは、“今ここからどう学ぶか”。
一歩ずつの習いが、未来の自分をつくります。
次回も、『論語』の中から心に残る言葉をご紹介します。
「才能ってなんだろう?」と考えたときに、また読み返してみてくださいね!