041【其の身正しければ、令せずして行わる】(そのみただしければ、れいせずしておこなわる)

こんにちは!

今回ご紹介する『論語』の言葉は、「人に影響を与えるのは、言葉よりもまず自分の姿勢だよ」という、リーダーシップにも通じる名言です。

たとえばあなたの周りに、こんな人はいませんか?

  • 大きな声で指示しなくても、自然と人が動く人
  • 「あの人がやってるなら、自分もやらなきゃ」と思わせる人

そういう人には、不思議な“信頼”と“説得力”がありますよね。

今回は、その秘密を『論語』から探ってみましょう。

今回の言葉

身正みただしければ、れいせずしておこなわる」

意味:自分の行いが正しければ、命令しなくても自然と人は従うようになる。

逆に、自分が正しくなければ、いくら命令しても誰も従わない、という孔子の教えです。

たとえ話

ここでちょっと、こんな物語をどうぞ。

■ ある町の二人の店長

A店長は、毎日こう言っていました。

「掃除ちゃんとしろ!」

「時間は守れ!」

「もっとお客様に笑顔で接しろ!」

でもA店長自身は、遅刻気味で、掃除も適当。

忙しくなると無愛想。

当然、スタッフたちも「なんだかやる気出ないなぁ」という空気に。

一方B店長は、ほとんど何も言いません。

けれど、誰よりも早く出勤し、床を自ら磨き、常ににこやかに接客。

それを見たスタッフたちは、自然と「自分もやらなきゃ」と動き始めました。

このB店長の姿こそが「其の身正しければ、令せずして行わる」の実例です。

この言葉の背景と出典

この言葉は、『論語』の「子路篇しろへん」に登場します。

孔子が「政治とはどうあるべきか」と聞かれたときの言葉の一部です。

孔子は、「法律で縛るよりも、リーダー自身が模範となることで、民は自然と従う」と説いています。

つまり、上に立つ者こそ、自らを律するべしということ。

現代にも通じる、非常に普遍的な教えですね。

現代にどう活かせる?

この言葉、なにもリーダーだけに限った話ではありません。

  • 子どもにマナーを教えるなら、まず親がマナーよく
  • チームで協力を得たいなら、まず自分が努力と誠意を見せる
  • 職場の雰囲気を変えたいなら、まず自分が明るく挨拶する

つまり、人を動かしたいなら、まず自分の姿勢を正すことから

これは言葉よりもずっと強い“メッセージ”になります。

おわりに

「言わなくても伝わる」というのは、実は最も強い説得力。

無言の背中が人を動かす、というのはどんな時代でも変わらない真理です。

日々の行動が、周りへの無言のメッセージになる。

そんなことを意識しながら、今日一日を過ごしてみるのも素敵ですね。

次回もまた、『論語』から日常に活かせるヒントをお届けします!

どうぞお楽しみに。