
こんにちは!
今回ご紹介する『論語』の言葉は、「人に影響を与えるのは、言葉よりもまず自分の姿勢だよ」という、リーダーシップにも通じる名言です。
たとえばあなたの周りに、こんな人はいませんか?
- 大きな声で指示しなくても、自然と人が動く人
- 「あの人がやってるなら、自分もやらなきゃ」と思わせる人
そういう人には、不思議な“信頼”と“説得力”がありますよね。
今回は、その秘密を『論語』から探ってみましょう。
今回の言葉
「其の身正しければ、令せずして行わる」
意味:自分の行いが正しければ、命令しなくても自然と人は従うようになる。
逆に、自分が正しくなければ、いくら命令しても誰も従わない、という孔子の教えです。
たとえ話
ここでちょっと、こんな物語をどうぞ。
■ ある町の二人の店長
A店長は、毎日こう言っていました。
「掃除ちゃんとしろ!」
「時間は守れ!」
「もっとお客様に笑顔で接しろ!」
でもA店長自身は、遅刻気味で、掃除も適当。
忙しくなると無愛想。
当然、スタッフたちも「なんだかやる気出ないなぁ」という空気に。
一方B店長は、ほとんど何も言いません。
けれど、誰よりも早く出勤し、床を自ら磨き、常ににこやかに接客。
それを見たスタッフたちは、自然と「自分もやらなきゃ」と動き始めました。
このB店長の姿こそが「其の身正しければ、令せずして行わる」の実例です。
この言葉の背景と出典
この言葉は、『論語』の「子路篇」に登場します。
孔子が「政治とはどうあるべきか」と聞かれたときの言葉の一部です。
孔子は、「法律で縛るよりも、リーダー自身が模範となることで、民は自然と従う」と説いています。
つまり、上に立つ者こそ、自らを律するべしということ。
現代にも通じる、非常に普遍的な教えですね。
現代にどう活かせる?
この言葉、なにもリーダーだけに限った話ではありません。
- 子どもにマナーを教えるなら、まず親がマナーよく
- チームで協力を得たいなら、まず自分が努力と誠意を見せる
- 職場の雰囲気を変えたいなら、まず自分が明るく挨拶する
つまり、人を動かしたいなら、まず自分の姿勢を正すことから。
これは言葉よりもずっと強い“メッセージ”になります。
おわりに
「言わなくても伝わる」というのは、実は最も強い説得力。
無言の背中が人を動かす、というのはどんな時代でも変わらない真理です。
日々の行動が、周りへの無言のメッセージになる。
そんなことを意識しながら、今日一日を過ごしてみるのも素敵ですね。
次回もまた、『論語』から日常に活かせるヒントをお届けします!
どうぞお楽しみに。