
こんにちは。
今回は論語の中でも、ちょっと耳が痛くなるような、でも心にグッとくる言葉をご紹介します。
「士、道に志して、悪衣悪食を恥ずる者は、与に議すべからざるなり」
いかがでしょう?
なんとなく堅苦しそうに見えるこの言葉、実は「本当に大切なことは何か?」を教えてくれる、今の時代にもぴったりなメッセージなんです。
この言葉の意味は?
ざっくり訳すと、こうなります。
「立派な志(し:士=志ある人物)を持とうとしているのに、質素な服や粗末な食事を恥ずかしいと思っているような人とは、一緒に語り合う価値がない」
つまり、何か大きな理想や使命を持って生きようとしている人が、見た目や贅沢に気を取られていたら、それは本末転倒だよね、というお話です。
起源と背景
この言葉は、中国の春秋時代、思想家・孔子が弟子たちに語ったものです。
当時の中国では、社会が不安定で、貧富の差も激しく、見た目や地位を気にする風潮が強かったといいます。
そんな中で孔子は、「本当に大事なのは内面と志」と説き続けました。
彼にとって「士」とは、単なる貴族階級ではなく、理想や正義のために努力する者のこと。
そんな「士」を目指すなら、表面的なことに惑わされるべきではない、というわけです。
たとえ話
たとえば──
あなたが「世界を変えるエンジニアになる!」と決意して、毎日図書館やカフェでプログラミングを勉強しているとします。
でも、友達が「その服、ちょっとダサくない?」「コンビニごはんばっかりで大丈夫?」なんて言ってきたら、どうしますか?
そのとき、「いや、今は見た目よりもスキルを磨くのが大事なんだ!」と思えるなら、あなたは孔子が言う“士”の道に近づいているかもしれません。
逆に、見た目や贅沢にばかり気を取られて志を見失うなら、どれだけ口で「夢がある」と言っていても、孔子は「語るに値しない」と言うのです。
現代にどう生かす?
この言葉、現代でもかなり深い意味があります。
✔️ 起業家を目指しているのに、ブランド品やSNS映えばかりに気を取られていない?
✔️ 学びの途中なのに、「見た目がダサいと恥ずかしい」って思ってない?
✔️ 自分の本当の目標を見失っていない?
志を立てたなら、まずは地に足をつけて、着実に進もう。派手さや見栄は後からついてくるものです。
まとめ
「士、道に志して、悪衣悪食を恥ずる者は、与に議すべからざるなり」
この言葉は、「志を持つなら、まずは見た目より中身を磨け」というメッセージです。
かっこよさや贅沢は、志のある生き方の“副産物”にすぎません。
まずは自分の内側にある「志」に忠実でいられるよう、心を整えていきたいですね。
次回もまた、論語の中から心に響く言葉を紹介していきます。
どうぞお楽しみに!