025【生まれながらにして知る者は上なり】(うまれながらにしてこれをしるものは、じょうなり)

こんにちは❣

今日は論語の中でも「学び」に対する考え方がよく表れている言葉、

【生まれながらにして知る者は上なり】

をご紹介します。

「努力がすべてじゃない」と思わせるようで、でも読み進めると「だからこそ学ぶことが大事なんだ」と背中を押してくれるようなこの言葉。

たとえ話や背景も交えて、やさしく解説していきます。

論語の一節より

この言葉は、論語の中の「季氏きし」篇に登場します。

生而知之者、上也。學而知之者、次也。困而學之、又其次也。困而不學、民斯爲下矣。

つまり──

「生まれつき知識がある人は最上だ。学んで知識を得る人はその次。困難に直面して学ぶ人はさらにその次。そして、困っても学ばない人は最下である」

という意味です。

たとえ話

あるピアノ教室に三人の生徒がいました。

  • 一人目は、生まれつき絶対音感があり、何でも一度聴けばすぐに弾けてしまう天才タイプ。
  • 二人目は、才能は普通だけど、毎日コツコツと練習を続けてどんどん上達していく努力家。
  • 三人目は、うまく弾けないとイライラしてピアノから離れてしまい、練習をしなくなってしまう子。

孔子が言うには、もちろん一人目のような「天才」はすばらしい。

でも二人目のように「学んで知る人」も立派だし、むしろ社会の中で多くの人がこのタイプ。

そして三人目のように、「つまずいても学ばない」ことこそ、もっとも避けたい姿なんですね。

起源・背景

この言葉は、孔子が「人間の才能と学びの姿勢」について分類したもの。

孔子自身は決して「生まれながらの天才」ではありませんでした。

実際、彼は自分のことを「好んで学んだ者」だと述べています(論語・述而篇じゅつへん)。

つまり、「私は天才じゃなかった。でも学び続けた」と、努力の大切さを身をもって示しているのです。

現代にどう生かす?

私たちも日々の仕事や学びの中で、周りと比べて「自分はできないな…」と思うことがあるかもしれません。

でも論語は言います。

「困っても学ばない人にはなるな。つまずいても、学べば必ず進める」

現代に置き換えれば、資格試験の勉強やプログラミングの習得、語学の勉強など、何事も「学ぶ姿勢」があれば道は開ける、というメッセージです。

まとめ

【生而知之者、上也(生まれながらにして知る者は上なり)】

──この言葉は、一見「生まれつきの天才が最強」と言っているようで、本当に伝えたいのは「努力する人こそ立派であり、努力を放棄しないことが大切だ」ということ。

生まれつきの才能に頼らず、学び続ける人でありたいですね。

論語の言葉から、今日もちょっとだけ背中を押してもらいましょう。