
「この人、言葉はうまいけど、なんだか信用できないな……」
そんなふうに感じたことはありませんか?
今日は、そんな場面にピッタリな論語の言葉「巧言令色、鮮なし仁」を、たとえ話を交えて紹介します!
この言葉の意味
「巧言」は「口先のうまい言葉」、「令色」は「愛想のいい顔つき」のこと。
つまり、言葉巧みに話し、愛想を振りまく人には、本当の「仁=思いやり」が少ない、という意味です。
孔子は、表面的な言葉や態度ではなく、心の中に本当の誠実さがあるかどうかが大切だと言っています。
たとえ話
ある町に、お客さんでにぎわうパン屋さんがありました。
店長は、二人の新人店員を雇いました。
店員A:口がうまく、愛想のいい青年
「いらっしゃいませ! 本日おすすめのパンはいかがですか?」
「お客様、素敵な服ですね!」
店員Aはとにかく接客が上手で、お客さんにはニコニコと愛想よく話しかけました。
しかし、裏では仕事をサボり、掃除やパンの補充は他のスタッフに任せきりでした。
店員B:言葉少なめだが、誠実な青年
店員Bは、おしゃべりはあまり得意ではありませんでした。
でも、パン作りを手伝い、掃除も欠かさず、お客様が求めるものを的確に提供しようと努力していました。
ある日、店長はこう言いました。
「Aはお客さんには人気だけど、仕事は人任せだ。一方、Bは言葉は少なくても、店のためにちゃんと働いている。本当に信頼できるのはBのほうだな」
そう、この話がまさに「巧言令色、鮮なし仁」なのです。
見た目や言葉だけで人を判断すると、本当に誠実な人を見落としてしまうこともあるのです。
この言葉の起源
この言葉は『論語』の「学而」という章に登場します。
孔子は、表面的な言葉や態度だけで人を判断するのではなく、内面の誠実さを見極めることが大切だと説きました。
当時の中国でも、政治家や商人の中には、言葉巧みに人を騙そうとする者がいました。
孔子は、そうした人々に警戒するよう弟子たちに教えたのです。
まとめ
「巧言令色、鮮なし仁」は、言葉や態度がいくら良くても、本当に思いやりのある人とは限らない、という教えです。
大切なのは、表面ではなく、その人の行動や本質を見極めることですね!
みなさんの周りにも、口先だけの人と、本当に誠実な人がいるかもしれません。
この言葉を思い出して、信頼できる人を見極めてみてください!