はじめに
戦国の世にあって、珍しくも商人から武将となった男がいました。
それが、小西行長です。
彼はキリスト教を信じ、運命に殉じた誠実な戦国武将でした。
商人の子から武将へ
行長は、摂津国(現在の大阪)で薬種商人の家に生まれました。
父・小西隆佐が豊臣秀吉に仕え、その縁で行長も仕官の道へ進みます。
才知を買われ、若くして頭角を現しました。
キリシタンとしての信仰
彼はキリスト教の洗礼を受け、熱心な信者となりました。
そのため、宣教師や貿易商とのつながりも深く、外交や海外貿易でも力を発揮します。
心優しい性格で、部下や民にも慕われたと言われています。
文治派としての活躍
行長は「文治派」として知られ、戦よりも調停や交渉に強みを持っていました。
朝鮮出兵では、加藤清正と共に大将となり出陣。
けれど、武断派の加藤清正とは激しく対立します。
信仰を持つ彼にとって、戦そのものが苦悩だったのかもしれません。
関ヶ原での選択
1600年、関ヶ原の戦いが勃発。
行長は石田三成と共に西軍につきます。
義を重んじ、家康の専横に反発したとも言われます。
しかし、西軍は敗北。
捕えられた行長には、過酷な運命が待っていました。
最後のとき
キリシタンである行長には、改宗すれば助命という選択肢もあったと言われます。
しかし彼は信仰を捨てず、斬首されました。
その最期は、静かで凛としたものだったと伝わります。
おわりに:信じるものを守り抜いた人生
小西行長の人生は、戦国という荒波の中でも、信じるものを貫いた物語です。
商人から武将へ。
そして信仰と共に歩んだ誇り高き道。
静かな強さと誠実さを胸に、彼は歴史に名を刻みました。