083【小西行長】信仰に殉じた商人出身のキリシタン武将

はじめに

戦国の世にあって、珍しくも商人から武将となった男がいました。

それが、小西行長です。

彼はキリスト教を信じ、運命に殉じた誠実な戦国武将でした。

商人の子から武将へ

行長は、摂津国(現在の大阪)で薬種商人の家に生まれました。

父・小西隆佐が豊臣秀吉に仕え、その縁で行長も仕官の道へ進みます。

才知を買われ、若くして頭角を現しました。

キリシタンとしての信仰

彼はキリスト教の洗礼を受け、熱心な信者となりました。

そのため、宣教師や貿易商とのつながりも深く、外交や海外貿易でも力を発揮します。

心優しい性格で、部下や民にも慕われたと言われています。

文治派としての活躍

行長は「文治派」として知られ、戦よりも調停や交渉に強みを持っていました。

朝鮮出兵では、加藤清正と共に大将となり出陣。

けれど、武断派の加藤清正とは激しく対立します。

信仰を持つ彼にとって、戦そのものが苦悩だったのかもしれません。

関ヶ原での選択

1600年、関ヶ原の戦いが勃発。

行長は石田三成と共に西軍につきます。

義を重んじ、家康の専横に反発したとも言われます。

しかし、西軍は敗北。

捕えられた行長には、過酷な運命が待っていました。

最後のとき

キリシタンである行長には、改宗すれば助命という選択肢もあったと言われます。

しかし彼は信仰を捨てず、斬首されました。

その最期は、静かで凛としたものだったと伝わります。

おわりに:信じるものを守り抜いた人生

小西行長の人生は、戦国という荒波の中でも、信じるものを貫いた物語です。

商人から武将へ。

そして信仰と共に歩んだ誇り高き道。

静かな強さと誠実さを胸に、彼は歴史に名を刻みました。