人生には、何度だって「やり直し」のチャンスがあります。
でも、それをつかめるかどうかは、自分の中にある“火”をどう扱えるかにかかっています。
今回ご紹介する四字熟語「発奮興起(はっぷんこうき)」は、
そんなくすぶっていた気持ちに火がついて、立ち上がる瞬間を表す言葉です。
発奮興起とは?
**発奮興起(はっぷんこうき)**とは、
悔しさや怒りをきっかけに気持ちを奮い立たせ、行動を起こすこと
を意味します。
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「発奮」…ふんばる、やる気を出す
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「興起」…奮い立って動き出す
つまり、「くやしさをバネにして、もう一度立ち上がる!」という前向きな言葉です。
たとえ話でわかる「発奮興起」
サクラは、大学受験で第一志望の合格を逃しました。
毎日遅くまで勉強したけれど、あと少し届かなかった。
「もう1年やるなんてムリかも…」
そう思った日もありました。
でも、ある日落ちた大学のキャンパスを通りかかったとき、
中で生き生きと学ぶ学生たちを見て、胸が熱くなりました。
「やっぱり、私はここに通いたい」
その瞬間、サクラの中で“何か”が目覚めました。
翌日から、彼女は参考書を広げ、またペンを握りました。
――それが「発奮興起」。
くやしさが、再び前へと進む原動力になったのです。
発奮興起の起源
この四字熟語は、中国の古典『後漢書』の中に登場します。
書中では、ある人物が「自分の能力を発揮できない悔しさ」から奮い立ち、
再び学問に打ち込む姿を通して、「悔しさこそが人を成長させる」ということが語られています。
古くから、「悔しさ=エネルギー」として見なされていたことがわかります。
現代での使い方
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試験や挑戦に失敗して、そこからやる気を出して再挑戦するとき
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失敗や敗北をきっかけに一念発起した場面
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自分を変えたいと強く思い、行動を始めたとき
などにぴったりです。
たとえば、
「面接に落ちた悔しさが、彼の発奮興起のきっかけになった」
「彼女は落ち込んだ末に発奮興起し、資格取得に向けて猛勉強を始めた」
といった風に、“気持ちを切り替えて立ち上がった”場面でよく使われます。
まとめ:きっかけは“悔しさ”でもいい
「発奮興起」は、はじめからポジティブな気持ちじゃなくていいんです。
くやしさ・怒り・情けなさ――それを燃料にして動き出すことこそが、美しい。
もしあなたが今、うまくいかずに落ち込んでいるなら、
それは新しいスタートを切る“直前”かもしれません。
火は、内からしか起きません。
でも一度つけば、きっとあなたを大きく動かしてくれます。