012【初心忘るべからず】成長しても、最初の気持ちを大切に

皆さん、何か新しいことを始めたときの気持ちを覚えていますか?

最初はワクワクしたり、不安になったりしながらも、一生懸命取り組んだはずです。

しかし、慣れてくると「最初の頃の緊張感」や「純粋な気持ち」を忘れてしまいがちです。

そんなときに思い出したいことわざが 「初心忘るべからず」 です。

今回は、このことわざの意味や起源、そして日常で役立つストーリーを交えてご紹介します!

ことわざの意味

「初心忘るべからず」とは、「物事を始めたときの気持ちを忘れてはいけない」 という意味のことわざです。

最初は一生懸命だったのに、慣れてくると油断したり、傲慢になったりしてしまうことがありますよね。

このことわざは、そんなときに 「初心を思い出しなさい」 と教えてくれます。

ことわざの起源

このことわざは、室町時代の能楽師のうがくし世阿弥ぜあみ によって語られた言葉です。

世阿弥は「風姿花伝ふうしかでん」という書物の中で、芸を極めるためには「初心を忘れてはいけない」と説きました。

彼は次のように述べています。

「初心忘るべからず」には三つの意味がある。

  • 若いころの未熟な初心を忘れず、常に学ぶ姿勢を持つこと。

  • 成長したときの新しい初心を大切にすること。

  • 年を重ねても、その時々の初心を持ち続けること。

つまり、一度の「初心」ではなく、人生のどの段階でも 「今の初心」を大切にすること が大事なのです。

たとえ話

あるレストランに、長年厨房を仕切るベテランシェフの田中さんがいました。

彼は若い頃、料理人としての道を志し、毎日必死に技を磨いていました。

しかし、経験を積むにつれて、「俺の料理に間違いはない」と慢心し、新しいことを学ぶ意欲を失ってしまいます。

ある日、新人の見習いが作った料理を食べたお客さんが「とても美味しい!」と喜んでいました。

驚いた田中さんがその料理を試食すると、確かに新鮮な工夫があり、心のこもった味でした。

そのとき、彼は若いころの自分を思い出しました。

「そうだ……昔の俺も、必死に試行錯誤していたんだ。いつの間にか、初心を忘れていたな。」

田中さんは初心に帰り、新しい料理に挑戦することを決意しました。

そして、再び学び続ける楽しさを取り戻したのです。

まとめ

「初心忘るべからず」は、成長しても常に謙虚な気持ちを持ち、学び続けることの大切さを教えてくれる言葉です。

みなさんも、新しいことに挑戦したときの気持ちを思い出し、初心を大切にしながら進んでいきましょう!

あなたの「初心」は何ですか? 😊