086【南部信直】内乱の南部家をまとめた北奥羽のまとめ役

はじめに

戦国時代の主戦場は中部や関西。

けれど、北東北でもたくさんの戦いがありました。

今回は、内紛だらけの南部家をまとめあげ、のちの盛岡藩につなげた男——

南部信直のお話です。

お家騒動だらけのスタート

信直が生まれた頃、南部家は分裂状態。

本家・分家・養子・外様が入り乱れて、混乱の真っ只中でした。

彼自身も分家の生まれで、正統な跡継ぎとは言えません。

でも、信直はじっと耐え、タイミングをうかがいます。

軍事・政治どちらもこなす器用さ

内紛を鎮めるため、時に剣を振るい、時に調停者として振る舞いました。

領内の豪族たちとも、手を組んだり距離を取ったり。

地元の情勢をしっかり読み、ゆっくりと“南部のまとめ役”に成長していきます。

豊臣政権に接近

天下を取った豊臣秀吉のもとへ、いち早く出仕。

それによって、南部家の正統な大名としての地位を認められました。

これが、南部家が江戸時代も生き残る大きな転機になります。

東北の端から天下の流れに乗る。

その情報力と行動力、見事でした。

江戸時代への土台を築く

信直は、家の内外を安定させることに尽力しました。

息子の利直に家督を譲るころには、南部家は20万石超の大名として確固たる地位に。

のちの「盛岡藩」として、幕末まで続く長寿家となります。

おわりに:影の立て直し役

南部信直は、あまりドラマで主役になりません。

けれど、荒れ果てた家を一から再建した手腕は一級品。

北奥羽のまとめ役として、今こそもっと評価されていい存在です。

戦国を“整える”という戦い方。

その渋さ、かっこいいと思いませんか?