077【今井宗久】茶の湯と商いで時代を動かした男

はじめに

戦国時代を、剣でも槍でもなく、商いと茶の湯で渡り歩いた男がいました。

それが今井宗久です。

堺の有力商人に

宗久は、自由都市・堺の商人でした。

鉄砲や弾薬、茶器などを扱い、莫大な富を築きました。

堺の中でも、指折りの実力者になります。

織田信長とつながる

宗久は、織田信長と親しくなります。

信長に鉄砲を供給したり、政治の助言をしたりもしていました。

商人でありながら、武将たちに影響を与える存在だったのです。

茶人としての顔

宗久は、茶の湯の世界でも一流でした。

「利休七哲」の一人とされ、千利休らと並ぶ茶人として名を残しています。

武士たちも、宗久の茶の湯に一目置いていました。

秀吉との関係

信長の死後、宗久は豊臣秀吉にも仕えます。

秀吉の茶会にもたびたび招かれ、その立場をしっかりと守りました。

変わりゆく時代を、抜群のバランス感覚で生き抜きます。

晩年と最期

宗久は、堺で静かな晩年を送りました。

商人として、茶人として、戦国の荒波を見事に渡り切ったのです。

やがて天正年間の末に、静かにこの世を去りました。

おわりに:剣なき戦国サバイバル

今井宗久は、武力ではなく知恵と人脈で時代を生き抜きました。

商いも、茶の湯も、彼にとっては戦いの道具だったのかもしれません。

名だたる戦国武将たちが彼を頼ったのも、その実力とバランス感覚があってこそだったのです。