はじめに
戦国時代を、剣でも槍でもなく、商いと茶の湯で渡り歩いた男がいました。
それが今井宗久です。
堺の有力商人に
宗久は、自由都市・堺の商人でした。
鉄砲や弾薬、茶器などを扱い、莫大な富を築きました。
堺の中でも、指折りの実力者になります。
織田信長とつながる
宗久は、織田信長と親しくなります。
信長に鉄砲を供給したり、政治の助言をしたりもしていました。
商人でありながら、武将たちに影響を与える存在だったのです。
茶人としての顔
宗久は、茶の湯の世界でも一流でした。
「利休七哲」の一人とされ、千利休らと並ぶ茶人として名を残しています。
武士たちも、宗久の茶の湯に一目置いていました。
秀吉との関係
信長の死後、宗久は豊臣秀吉にも仕えます。
秀吉の茶会にもたびたび招かれ、その立場をしっかりと守りました。
変わりゆく時代を、抜群のバランス感覚で生き抜きます。
晩年と最期
宗久は、堺で静かな晩年を送りました。
商人として、茶人として、戦国の荒波を見事に渡り切ったのです。
やがて天正年間の末に、静かにこの世を去りました。
おわりに:剣なき戦国サバイバル
今井宗久は、武力ではなく知恵と人脈で時代を生き抜きました。
商いも、茶の湯も、彼にとっては戦いの道具だったのかもしれません。
名だたる戦国武将たちが彼を頼ったのも、その実力とバランス感覚があってこそだったのです。