058【浅井久政】戦国の荒波に翻弄された名家の当主

はじめに

戦国時代、北近江の小さな国に生まれた浅井家。

その浅井家を率いたのが、今回の主役・浅井久政です。

天下取りとは無縁だったけれど、彼の選択が家の未来を大きく変えていきました。

今回は、そんな久政のドラマを見ていきましょう!

北近江をまとめた名家

浅井久政は、北近江(滋賀県北部)を治める領主でした。

父・浅井亮政の跡を継いで、浅井家の2代目になります。

若いころは家臣たちからも期待され、

「この人なら浅井家を守ってくれる」

と思われていました。

でも、時代はどんどん厳しくなっていきます。

守りの姿勢が裏目に

周りの大名たちは、どんどん力をつけていきました。

特に近くにいた六角氏の影響力は絶大でした。

久政は、戦いを避けるために六角氏に従います。

これが家臣たちから大ブーイング!

「浅井家の誇りを失った!」

と反発が高まり、ついには自らの家臣たちによって、引退させられてしまいます。

浅井家のトップの座は、若き息子・浅井長政へ。

息子・長政との違い

浅井長政は、戦国の波に立ち向かうタイプでした。

織田信長との同盟も、長政の時代に結ばれます。

一方、久政はあくまで「穏便に…」という考え。

父子で性格はまるで正反対だったのです。

これが、のちの運命を大きく左右することになります。

最期は悲しいものに

織田信長との同盟が破綻し、浅井家は信長と戦うことに。

小谷城に追い詰められた浅井家。

久政は、長政とともに最期を迎えることを覚悟します。

1573年、城が落ちる直前に自刃。

静かにその生涯を閉じました。

おわりに:戦国を生きた「普通の人」

浅井久政は、野心むき出しの戦国武将とは少し違います。

むしろ、家族や家を守ろうとした「普通の人」だったのかもしれません。

でも、戦国時代において「普通」は弱さとなり、

大波に呑まれてしまいました。

それでも久政の選択には、どこか人間味があふれています。