024【学べば則ち固ならず】 (まなべばすなわちかたならず)

「その考え、ちょっと偏ってない?」…と言われたこと、ありませんか?

人は誰しも、自分の見てきた世界や経験から物事を判断します。

でも、その範囲のまま生きていくと、だんだん考えが固くなっていくもの。

そんなときこそ必要なのが、“学び”の力

孔子は、学ぶことで人の心や考え方が広がると語ります。

論語の一節

子曰、「学べば則ち固ならず。」
(し のたまわく、「まなべば すなわち かたならず」)

現代語訳:

ひとまなべば、偏屈へんくつではなくなる」

または

「学び続けることで、視野が広がり、柔軟な人になれる」

ここでの「固し」は、頭が固い・視野が狭いという意味。

学ぶことで、偏りや思い込みから自由になることができるという教えです。

たとえ話

昔々、とある町に、ちょっと頑固なおじいさんがいました。

「ワシの若い頃はこうだった!」

「今どきのやり方なんて信用ならん!」

と、いつも同じ話ばかり。

そんなおじいさんの孫は、本が大好き。

いろんな国の文化、歴史、科学、哲学を楽しそうに読んでいました。

ある日、孫が「おじいちゃん、こういう考え方もあるよ」と話します。

おじいさんは最初、「そんなのは絵空事じゃ」と言っていましたが、孫が丁寧に本を読んで聞かせるうちに、だんだん表情がやわらぎます。

数ヶ月後、

「ワシもちょっと読んでみようかのう」

と言い出すおじいさん。

そう、学びは人の心をやわらかくする力があるんです。

背景と教訓

孔子の時代も、今と同じように「自分の考えこそ正しい!」という頑固な人が多くいました。

でも孔子は、学ぶことで人は柔らかく、広く、そして謙虚になれると信じていました。

学びは、単に知識を増やすだけじゃありません。

  • 違う考えを知ること
  • 時代や立場の違いに気づくこと
  • 自分の偏りに向き合うこと

それが「学び」の本質だと論語は教えてくれるのです。

まとめ

  • 人は誰でも“かたくなる”
  • でも、学べば視野が広がり、人にも優しくなれる
  • いつでも柔らかな思考を持ち続ける人でありたい

何歳になっても、どんな立場になっても、「もっと知りたい」「もっと理解したい」という気持ちは宝物。

固くならないために、今日も一つ学んでみよう。