「余裕がある人」は、偉そうにしない
あなたのまわりにも、こんな人いませんか?
落ち着いていて、堂々としてるのに、決して偉ぶらない人。
周囲に安心感を与えて、自然と人が集まってくるような存在。
――そんな人こそ、論語でいう「君子」に近いのかもしれません。
今回は、そんな人物像を表した孔子の言葉、
「君子は泰にして驕らず(くんしはたいにしておごらず)」
をご紹介します。
たとえ話:2人の店長さん
ある日、新しくできた2つのパン屋さんに行ってみました。
ひとつのお店の店長さんは、どっしり落ち着いていて、スタッフへの声かけもやさしく、お客さんへの応対も丁寧。でも決して威張ったところがありません。
もう一方の店長さんは、スタッフを怒鳴ったり、肩で風を切るような態度で、周りはちょっとピリピリ…。
数か月後、前者のお店は地域に愛され、行列ができるようになり、後者はいつしか静かに閉店してしまいました。
この違いを生んだのは、「余裕」と「態度」。
前者の店長さんは、「泰(たい)=落ち着き・余裕」がありながらも「驕(おご)らず」――まさに論語の言葉そのままです。
言葉の意味と背景
この言葉は、『論語』の「学而(がくじ)」という章に登場します。
子曰、君子泰而不驕、小人驕而不泰。
(しのたまわく、くんしはたいにしておごらず、しょうじんはおごりてたいならず)
意味は、 「君子はおおらかで落ち着いているが、驕り高ぶることはない。小人(しょうじん/徳のない人)は傲慢なのに、心に余裕がない」
ということ。
孔子は、見た目の“強さ”や“威厳”よりも、内面の“落ち着き”や“謙虚さ”を大切にしていました。
本当に徳を積んだ人は、威張る必要なんてない。
態度が大きくても、内面が不安定な人は、周囲に信頼されない――
そんなことを私たちに教えてくれているのです。
まとめ:本物の自信は、静かににじみ出る
「君子は泰にして驕らず」という言葉は、
見せかけではない“本物の落ち着き”を持つことの大切さを伝えています。
大きな声や威圧的な態度ではなく、
余裕と優しさで周囲を包むような人でありたいですね。
心に余裕があると、言葉も行動も変わってきます。
その積み重ねが、あなたを“君子”に近づけてくれるはずです。