090【君子は本を務む。本立ちて道生ず。】 (くんしは もとを つとむ。もと たちて みち しょうず)

土台を固めれば、自然と道は開ける

こんにちは!
今回の論語のテーマは「人生の土台づくり」について。
何をするにも“基礎”って大切だよなぁ…と思わせてくれる、孔子の珠玉の一言をご紹介します。

「君子は本を務む。本立ちて道生ず。」
(くんしは もとを つとむ。もと たちて みち しょうず)


この言葉の意味は?

やさしく言いかえると…

「立派な人は、物事の“基本・本質”を大切にする。しっかりした土台があってこそ、そこから正しい生き方が生まれる」

「道(みち)」とは、人のあるべき生き方、道徳、人生の方向性のこと。

その「道」も、“本(もと)”=土台がしっかりしていなければブレてしまう
だからまずは基本を大事にしよう、という教えです。


たとえ話でイメージしてみよう

あなたが家を建てようとしているとします。
どんなに立派なデザインでも、地盤がゆるければ傾いてしまうし、長く住めません。

逆に、シンプルな家でも、しっかりした基礎の上に建てられていれば、安心して長く住めますよね。

人生も同じです。

  • 礼儀や思いやりといった「人としての基本」

  • 勉強・仕事・スキルにおける「基礎力」

  • 生活リズムや健康管理のような「土台づくり」

こうした“本”を大切にしていれば、そこから自分らしい「道」が自然と見えてくるのです。


背景:孔子の“本”とは何か?

この言葉は『学而(がくじ)』という章に出てきます。
孔子は、礼儀・孝(親を大切にする心)・信頼・思いやりなど、人としての基本的な行いを「本」と考えました。

どんなに頭がよくても、言葉が巧みでも、
“心の土台”がなければ立派な人とは言えないと孔子は考えたのです。


現代にどう活かせる?

この言葉は、今の私たちにもすごく当てはまります。

  • 忙しさに追われて礼儀や思いやりを忘れていないか?

  • 技術や知識ばかり求めて、基本の確認をおろそかにしていないか?

  • 目標ばかり見て、足元が不安定になっていないか?

「基礎・本質・土台に立ち返ろう」と思わせてくれる、まさに現代の“リセットボタン”的な言葉です。


おわりに

「君子は本を務む。本立ちて道生ず。」

成功したい、成長したいと思うときほど、
目先のテクニックではなく、“本質”に立ち返ることが近道なのかもしれません。

勉強でも仕事でも人間関係でも、「基本って大事だな」と感じたとき、ぜひ思い出してほしい言葉です。