人生には、突然降ってくるような「禍(わざわい)」があります。
でも、その出来事が、あとになって「福(しあわせ)」へとつながることもありますよね。
そんなときにぴったりな言葉が今回のことわざ――
**「禍を転じて福と為す(わざわいをてんじてふくとなす)」**です。
💡「禍を転じて福と為す」とは?
このことわざは、
災いや不幸な出来事を、機転や努力で、かえって良い結果につなげること
を意味します。
つまり、ピンチをチャンスに変える発想や行動を表す言葉です。
一見マイナスに思えることが、考え方や対応次第でプラスに変わる――そんな前向きな意味が込められています。
🧵たとえ話|おばあちゃんの裂き織り
ある村に、おばあちゃんと小さな孫が住んでいました。
ある日、孫が大切にしていた服が火事で焼けてしまいました。
孫は泣きながら言いました。
「大事な服、もう着られないよ……」
それを見たおばあちゃんは、焼け残った布の端を拾い集め、ひとつひとつ丁寧に裂いて織り機にかけていきました。
そして数日後――見たこともない美しい裂き織りのマフラーができあがったのです。
「ほら、大切な服は、また新しい形で生きてるよ」
孫はマフラーを首に巻きながらにっこりと笑いました。
「服が燃えて悲しかったけど、もっと素敵なものができたね」
これぞまさに、「禍を転じて福と為す」――ですね🍂
📚起源は『春秋左氏伝』
このことわざの起源は、中国の歴史書『春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)』にあります。
ある国が戦に負けて大損害を受けた後、その経験を活かして国の制度を改革し、
結果的に以前よりも強い国になった、というエピソードが語源とされています。
「禍(わざわい)を福(さいわい)に転ずる」という表現は、古くから人生の転機や教訓として使われてきました。
✨現代でも活きる知恵
現代でも、「禍を転じて福と為す」はビジネスや人間関係、病気や失敗体験など、さまざまな場面で当てはまります。
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仕事でミスをした → 改善策を考えることで信頼アップ
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予定がキャンセルになった → 新しい出会いがあった
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病気で休職 → 自分の健康や家族の大切さに気づけた
こんなふうに、不運をただの「損」で終わらせない生き方こそ、「禍を転じて福と為す」の精神なのです。
🔖まとめ
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意味:不幸な出来事を、工夫や努力で良い方向へ変えること
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たとえ話:焼けた服を使って裂き織りマフラーを作ったおばあちゃんの話
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起源:中国の歴史書『春秋左氏伝』に見られる考え方
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現代の応用:失敗や災難を学びや成長のチャンスに変えることができる
次回のことわざもお楽しみに!
ご希望があれば、「ピンチにまつわることわざ特集」なども作れますので、お気軽にリクエストください😊✨