069【積水成淵】小さな努力が、大きな成果を生むとき

「こんな小さなこと、意味があるのかな?」

「毎日続けても、大して変わらない気がする…」

そんなふうに、日々の努力が“ムダ”に思えてしまうとき、ふと立ち止まって考えてほしい言葉があります。

それが今回の四字熟語、積水成淵せきすいせいえん

これは、一滴一滴の水が、やがて深い淵をつくるように、わずかな努力も積もれば大きな成果になるという、心強い教えなのです。

たとえ話

ユウキは英語が苦手。

単語も覚えられないし、リスニングもチンプンカンプン。

でもある日、「とりあえず1日10分だけ英語に触れる」と決めて、勉強アプリを始めました。

朝起きてすぐ、寝る前、通勤中…

1日10分だけ。たったそれだけ。

でも、1か月、3か月、半年…と続けるうちに、英語の音が自然に聞こえてくるようになり、気づけば英検準2級にも合格!

ユウキの努力はまさに――「積水成淵せきすいせいえん」だったのです。

意味と読み方

積水成淵せきすいせいえんとは、

「少しずつたまった水がやがて深いふちとなる」という意味です。

  • 「積水」=水が少しずつたまっていくこと
  • 「成淵」=それが深い淵(=池や川の深い場所)になること

つまり、「小さなことでも続けていけば、やがて大きな成果につながる」という教訓を示す四字熟語です。

起源・由来

この言葉の由来は、中国の古典『荀子じゅんし』にあります。

思想家・荀子はこう言いました。

水、一滴を積もらせて淵を成す。善を積めば人柄となり、悪を積めば災いとなる。

つまり、小さな善行を重ねれば立派な人格が生まれ、悪事を積めば大きな不幸を招く、と。
「積水成淵」はこの教えから生まれた、“小さな積み重ねの大切さ”を説く言葉なのです。

現代での使い方

現代では、ポジティブな意味でよく使われます。

  • 「毎日ブログを1記事書き続けて、今では積水成淵のような情報サイトに育った」
  • 「筋トレを3年続けて、体がまるで別人に。積水成淵だな」
  • 「少しずつ信用を積み上げることが、積水成淵のように信頼につながる」

個人の努力から、企業のブランドづくり、信用構築、学習まで幅広い場面で使える表現です。

まとめ

「積水成淵」とは、

「すぐには結果が出なくても、続けることでやがて大きな成果につながる」

という、継続の力を教えてくれる言葉です。

たとえ1日5分でも、10分でも、昨日の自分より1ミリでも進んでいれば、それは前進。

コツコツと、焦らずに。

一滴の水も、集まれば深い淵となるのです。