みなさんは、何かに没頭していて「気づいたら何時間も経ってた!」なんて経験ありませんか?
スマホの通知も聞こえず、話しかけられても気づかないくらい、夢中になるあの感覚――それは、日常の中ではなかなか得られない「集中の極み」。
そんなときこそ、まさにこの四字熟語の出番です。
「一心不乱(いっしんふらん)」。
今回はこの言葉を、ちょっとしたストーリーを交えてご紹介します。
◆ たとえ話:竹細工職人のミナさん
とある山里に、ミナという若い竹細工職人がいました。
彼女は市場に出すカゴを編んでいましたが、作業中は誰に話しかけられても、まるで耳に入らないほど黙々と手を動かし続けます。朝から晩まで、まるで呼吸するように竹を編み続けるミナ。
ある日、村の祭りで彼女のカゴが展示され、見に来た都会のバイヤーが驚きました。
「こんな精巧で美しいカゴ、見たことがない。どんな技術で編んだんですか?」
ミナはにっこり笑って、こう答えました。
「ただ、ひとつのことだけを思って、夢中になってただけです」
まさにこれこそが、一心不乱の姿なのです。
◆ 意味と読み方
**一心不乱(いっしんふらん)**とは、
「心を一つにして、他のことに気を取られずに物事に集中すること」を意味する四字熟語です。
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「一心」=一つのことに心を集中させる
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「不乱」=心が乱れない、ブレない
つまり、余計なことを考えず、目の前のことに“全集中”して取り組む状態を表しています。
◆ 起源について
「一心不乱」という言葉の起源は、仏教の経典にあります。
たとえば『法華経』や『維摩経(ゆいまぎょう)』などに見られる考え方で、修行者が心を一点に集中させて、雑念を捨てて真理を追求する様子を表したものです。
この仏教の精神が、やがて一般の言葉として使われるようになり、「一つのことに心を込めて打ち込む」という意味が広まりました。
◆ 日常でどう活かす?
スマホやSNSの通知、やることリスト、雑音に囲まれる現代では、「一心不乱」な状態って貴重ですよね。
でも、意識してスマホを遠ざけてみたり、30分だけ集中して取り組んでみたりすることで、その状態はつくることができます。
たとえば勉強・仕事・読書・絵を描く・音楽を聴くなど、
「これが好き」「これを極めたい」という気持ちがあれば、人は自然と一心不乱になれるもの。
集中している時間こそが、最も自分らしい時間かもしれません。
◆ まとめ
「一心不乱」とは、心を一つにして、他に気を取られずに何かに集中すること。
「夢中になる」「のめり込む」――それは決してムダではなく、自分の可能性を育てる大切な時間です。
次に何かに取り組むときは、この言葉を思い出してみてくださいね。
あなたの“集中力”が、未来を変えるかもしれません。